パナソニック新CIO、玉置氏を導いた思想 「CIOは経営者」「話を聞いてもらうために偉くなる」:長谷川秀樹の「IT酒場放浪記」 パナ新CIOの本音【前編】(3/3 ページ)
元メルカリCIO長谷川秀樹氏が、IT改革者と語る「IT酒場放浪記」。今回のゲストは、P&G、ファーストリテイリング、アクサ生命保険でCIOを務め、5月にパナソニックのCIOに就任した玉置肇氏。大学時代はサルの研究者を目指していたという玉置氏が、CIOの道を歩み始めたきっかけは、何だったのか。そして、今考える「CIOのあるべき姿」とは。
こんな人は転職してはいけない
長谷川: 玉置さんはP&Gの後、ファーストリテイリング、アクサ生命保険、そして今パナソニックとCIOポジションでキャリアを積まれていますね。
玉置: CIOは自分が一生かけて追求すべき「職」だと思っています。だから、転社はしても、転職したという感覚はないんです。
長谷川: CIOのキャリア戦略について、玉置さんはどう考えていますか?
玉置: 会社は5、6年で変えていった方がいいと思っています。変革って疲れるんですよ。同じ人が1社20年間ずっと変革し続けていたら、周りも疲れてしまうでしょ(笑)
長谷川: 20代からどんどん転職すべきだと思いますか?
玉置: 僕は、自分が何者なのかが分かるまでは転職反対派です。自分は何で世の中に貢献していくのか、それが分かってから会社を変えても決して遅くはありません。若手だけではなく、40代で自分が何者なのかまだ確立できていない方も、今の会社に残った方がいいと思います。
50代になっても自分が何者なのか分からず、会社のバッチを糧にして生きている人は厳しいですね。でも、キャリアを積むだけが人生じゃない。人生の楽しみ方っていろいろですから。
一番ダメなのは、待遇がいいからといって安易に転職すること。自分が何者なのか分からないうちはどうしても流されてしまいがちです。それではいい人生になりません。
玉置氏がパナソニックにかける思い
これまで外資系企業でCIOを勤めてきた玉置氏は、なぜ今パナソニックのCIOとなったのか。そして人生100年時代、これからどうありたいと思うのか。記事の後編で紹介する。
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