東京23区で最も値上がり率が上昇した中古マンションは? 「駅近」より「快適性」重視の傾向も:「高層マンション」がランクイン
マンションナビを運営するマンションリサーチ(東京都千代田区)は、2021年上半期の「東京23区中古マンションの値上がり率」を調査した。
マンションナビを運営するマンションリサーチ(東京都千代田区)は、2021年上半期の「東京23区中古マンションの値上がり率」を調査した。その結果、1位は「ワールドシティタワーズ ブリーズタワー」(港区)だった。
ワールドシティタワーズ ブリーズタワーは、前年比平均単価上昇率+21.6%だった。品川駅から徒歩14分とやや距離はあるが、居住者専用の品川駅行のシャトルバスが運行するなど共用サービスが充実している。住友不動産販売が手掛ける「ワールドシティタワーズ」からは、5位に「アクアタワー」もランクインした。
次いで2位は「アウルタワー」(豊島区)で、前年比平均坪単価上昇率+20.0%だった。豊島区では唯一のランクインだが、東池袋駅直結という立地で池袋のサンシャインシティの隣に位置する点が人気のようだ。
3位は「プラウドタワー東雲キャナルコート」(江東区)で、前年比平均坪単価上昇率は+18.5%だった。野村不動産「プラウド」シリーズの中でも地上52階の超高層タワーで、東雲エリアの人気も高い。商業施設やレストラン、キッズルームやフィットネスルームなどの施設がそろう点が評価されたようだ。
値上がりしたマンションの傾向として、ランクインした全てが地上20階以上の高層マンションであった。タワーマンションの人気は以前より高かったが、コロナ禍で「共用施設・サービスが充実している」点がニーズと合致したようだ。
また、駅からやや距離のあるマンションも人気だった。外出自粛やテレワークで、家で過ごす時間が増えたことから、「駅近」以上にマンションの快適性や開放感を重視する層が増えた。湾岸エリアの人気が上がっていることからも、「マンション周辺が開けている」「敷地の広さ」「リバービュー」という点が見直されている傾向があった。
築年数では、築10〜15年の中古マンションのランクインが多かった。「築浅」とは呼べないが、00〜10年代はマンションの基本性能が向上した時代で、換気機能や各種設備、共用施設が今と大きく変わらないマンションも多い。その中でも、資産価値を重視したブランドマンションの比率が高い傾向が見られた。リノベーションやリフォームも一般的になってきた今、中古マンションの価値が再評価されている。
関連記事
- コロナ禍2年目の夏休み 過ごし方に変化は? 外出希望者は増加
アース製薬は、全国の小学生以下の子どもをもつ女性を対象に「21年親子の夏休みの過ごし方に関する調査」を実施した。 - アウトドアブーム再来 バブル崩壊後に起きた1次ブームとの違い、今のトレンドは?
現在はアウトドアブームだという声が聞こえてくる。実は、過去にもアウトドアブームが巻き起こっていたのをご存じだろうか。 - お台場の複合施設「パレットタウン」順次閉館 再開発へ
臨海副都心パレットタウン運営協議会は7月21日、東京都江東区の複合型施設「パレットタウン」の営業を2021年12月から順次終了すると発表した。 - ホテル業界復活のカギは「朝食」にあり? コロナ禍でヒルトンが進めた115項目の改善
ホテルにとって朝食はキモ。“朝食でホテルを選ぶ”人も多いだろう。人気の尺度という点で朝食の良しあしは注目されるポイントになっているのは事実だ。筆者はソーセージと焼き鮭に注目する。 - バブルの名残 温泉街の「大型施設」が廃墟化 鬼怒川と草津の違いと「大江戸温泉物語」の戦略
コロナ禍がもたらす温泉街への影響は甚大だが、「温泉の魅力」として考えさせられるのが“街づくり”という点だ。筆者は「施設そのもので集客できる強い宿は例外的で、温泉地の魅力自体が集客を左右する」と指摘する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.