前年比130% 6個入りの「冷凍たこ焼き」が、売れているワケ:週末に「へえ」な話(4/4 ページ)
テーブルマークの「ごっつ旨い大粒たこ焼」が売れている。2020年の売り上げをみると、前年比130%で推移した。今年も引き続き好調のようだが、商品化にあたってどのような苦労があったのか。担当者に話を聞いた。
“熱い”状態が続く
商品は完成したものの、ターゲットとなる単身世帯に食べてもらわなければいけない。先ほどの単身世帯のデータを見ると、05年は29.5%だったのに対し、15年には32.4%と2.9ポイントの増加だ。と、ここまで書いて「じゃあ、2020年はなぜ前年比130%だったの? ちょっと伸びすぎなのでは?」と感じられたかもしれないが、この商品は新型コロナの影響を強く受けたのだ。
在宅勤務の人が増えて、「今日の昼は冷凍のたこ焼きにしようかな」といった人がどんどん増えて、そうした層を取り込むことに成功した。また、外出を控えた人たちは、スーパーに足を運ぶ回数を減らし、たまに行ったときには40個入りを購入する。結果、売り上げが伸びていったわけだが、こうした流れは、今年も続いているといった具合なのである。
ちなみに、たこ焼きは「関西人のソウルフード」といった言葉を聞いたことがあるが、「大粒たこ焼」の売り上げもやはり関西圏が圧倒しているのだろうか。1店舗当たりの販売数をみると、首都圏に比べて関西圏は1.5倍ほど売れているようで。この数字が「高い」のか「低い」のか判断することが難しいが、17年のデータと比べると、首都圏の販売数が10%ほど伸びている。ということは、たこ焼きを食べる文化は、東で暮らす人々の間でもじわじわ広がりつつあるようだ。
さて、気になるのは今後のことである。総務省のデータをみると、単身世帯は15年の34.5%から、40年には39.3%になるのではないかと予測している。市場はまだまだ拡大するようで、冷凍たこ焼きは“売り上げという坂”をコロコロ昇っていきそうである。
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