「焼きペヤングメーカー」開発秘話 クラウドファンディングで“個性”が大ヒット:家電メーカー進化論(4/7 ページ)
「ギガたこ焼き器」や「せんべろメーカー」、「焼きペヤングメーカー」など、ひときわ個性的な家電を展開するライソン。「ライソン発の、世界初をつくる。」と掲げ、ワイヤレススピーカーやアウトドア用品まで展開する。新興メーカーの戦略と、アイデアあふれるものづくりについて代表取締役の山俊介氏に話を聞いた。
クラウドファンディングで、注目を集めた「焼きペヤングメーカー」
18年、ピーナッツ・クラブの第二営業部だった家電事業部をライソンとして、別会社にする話が持ち上がる。このときライソンの社長として抜擢されたのが、第二営業部の立ち上げにも関わっていた山氏だ。
山氏は、新卒でピーナッツ・クラブに入社後、第二営業部を経て、ゲームセンター向けにお菓子を販売する部門(現、株式会社ヨシナ)などに在籍していたが、再び家電に関わることとなる。
「当時、他の部署からライソンへ行くと、ラジコンがあったり、ホットサンドメーカーがあったりと、正直、何の会社か分からない状態でした。そこで社長になるに当たり、ライソンの事業を家電に絞ると判断しました。
その判断には、理由がいくつかあります。まず、電気を使わない製品は参入障壁が低いため他社に真似されてしまうこと、そしてもう1つが、品質面と安全面です。おもちゃの工場は、家電の工場と比べると品質の意識が圧倒的に低いことが多い。会社として製品の安全性や認証問題などを考えると、製造は品質に対する意識の高い工場にお願いすべきと考えました」(山氏)
家電メーカーとして、新たな出発を図ることになったライソン。ピーナッツ・クラブから引き継いだ商品はあるものの、知名度はほぼゼロ。「何か目立つことをしなければいけない」と考えた山氏は、ふと「カップ焼きそばって焼いてないな」と思いついたと言う。
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