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「焼きペヤングメーカー」開発秘話 クラウドファンディングで“個性”が大ヒット家電メーカー進化論(5/7 ページ)

「ギガたこ焼き器」や「せんべろメーカー」、「焼きペヤングメーカー」など、ひときわ個性的な家電を展開するライソン。「ライソン発の、世界初をつくる。」と掲げ、ワイヤレススピーカーやアウトドア用品まで展開する。新興メーカーの戦略と、アイデアあふれるものづくりについて代表取締役の山俊介氏に話を聞いた。

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 幸運にも、カップ焼きそば「ペヤング」を製造するまるか食品とは、お菓子を取り扱う子会社を立ち上げたときに取り引きがあった。

 「たまたまですが、まるか食品の社長さんがうちの会社に来られるタイミングがあり、そこで『ペヤング専用のホットプレートを作っていいですか』と企画書をお見せしたところ、すぐにOKをいただけたのです」(山氏)

 まるか食品の了承を得たことで動き出した「焼きペヤングメーカー」は、元々販売していた小型ホットプレートを改良して開発したという。カップ焼きそばを美味しく焼けるようヒーターの温度を調節したり、フッ素コーティングを見直した。そうしてペヤング専用としてクラウドファンディングに挑戦したところ、目標額だった50万円の10倍を超える、500万円超の支援を集める大成功を収めた。


「焼きペヤングメーカー」のクラウドファンディングページ。1700人からの支援を集めた

 「焼きペヤングメーカー」は有名になったもののライソンの名前はそれほど広がらなかったと自嘲する山氏だが、その後も積極的にオリジナル商品を開発し、クラウドファンディングを仕掛けている。

 例えば、19年に同じくクラウドファンディングで5000万円以上の支援を集めた焙煎機「ホームロースター RT-01」は、ポップコーンを作る家電を改良したものだ。一部の購入者がこれをコーヒー豆の焙煎に使っているという情報を得た山氏が、中国の工場と交渉し、2年間の開発期間を経て、完成させたという。


ポップコーンメーカーをベースに改良して生まれた焙煎機「ホームロースター RT-01」

 「焙煎機の金型代金などのコストを、当社販売分のみ日本限定の専売契約にする条件で工場と折半にしました。つまり、工場が他の国で売る分は自由にできる、という仕組みにすることでコストダウンしています。こういった取り組みを取り入れることで、全商品ではありませんが、しっかりとした製品開発ができるようになってきました」(山氏)

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