ファミマとセブン、「カレーパン」で激突 “強化選手”に選ばれたワケとは:狙いは?(3/3 ページ)
ファミマとセブンが「カレーパン」に注力している。セブンはレジ横という一等地で揚げたてを発売。ファミマはカレーキャンペーンに2種類のカレーパンを投入する。
カレーパンを強化商品に選んだ理由
ファミマは21年3月に、メロンパンとカレーパンをリニューアル。発売から2週間で累計販売数が400万食を突破した。同社のパンにおいては類を見ない異例のスピードだった。カレーパンは現在も定番商品として全国で販売しており、売れ筋上位の商品に成長している。
リニューアルしたカレーパンは、ビーフと玉ねぎのうまみが溶け込んだ欧風カレー。ビーフを引き立てるスパイスにこだわった。もっちりとした食感も特徴だ。
なぜ、数ある総菜パンの中からカレーパンを“強化選手”として選んだのか。担当者は「市場では人気メニューであるはず。しかし、強化前は総菜パンとして売れ行きは中位だった。商品を分析した結果、おいしくなる可能性を大きく秘めていたことが分かった。それが、強化商品に選んだ理由の一つだ」と説明する。リニューアル後、売れ行きは中位から上位になったので、狙いは的中したといえる。
ローソンの動きは?
ローソンでは、カレーパンを毎年リニューアルしている。21年2月に「スパイス香るビーフカレーパン」(130円)を発売した。ビーフと玉ねぎのうまみや甘みが味わえるように工夫したのが特徴だ。うまみ成分を加えるため、昆布だしを追加。また、スパイスの種類を増やし、味の深みが増すようにした。繰り返し買ってもらえるように、アンケートや市場のトレンドを参考に改良したという。
リニューアル後の4〜5月は、売り上げが通常より伸びた。担当者は「カレーパンは日本でなじみがあるベーカリーだ。そのため、『新発売』『リニューアル』したカレーパンのトライアル・リピート率は比較的高い傾向にある。これも売り上げが伸長した理由の一つだと考えられる」と分析する。
ローソンではカレーパンだけでなく、チルド弁当のカレーライス、店内調理のカレーライス、チルド・常温タイプのレトルトカレーなどさまざまなカテゴリーで商品を発売している。カレーは日本でなじみがあるため、これらの商品の売れ行きは比較的好調だという。
夏の“カレーパン戦争”を制するのはどこか。
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