3年連続でトップ! サントリーの「天然水」は、なぜJANコードを変えたのか:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
2020年11月、サントリーの「天然水」に異変が起きたことをご存じだろか。新たな商品「北アルプス」を展開したタイミングで、商品のJANコードも統一したのだ。通常、1つの商品にJANコードは1つなのに、なぜ統一したのか。その背景を聞いたところ……。
サントリー食品インターナショナルのミネラルウオーター「天然水」が売れに売れている。今年30歳になる同商品の売り上げをみると、基本右肩上がり。ミネラルウオーター市場もこの30年で約34倍も拡大しているわけだが、発売当初、消費者からこのような声が多かったことを覚えているだろうか。
「家で飲める水を買うの? もったいないでしょ」――。
筆者は炭酸飲料が苦手なので、子どものころは自販機を目の前にしても選択肢が少なかった。コーヒーかオレンジジュースである。コーラやファンタをゴクゴク飲んでいる同級生を横目で見ながら缶コーヒーを飲んでいたわけだが、お茶が販売されたときは「イノベーター」(新しい商品やサービスなどを早い段階で受け入れる層のことで、市場全体の2.5%)であったと思う。
それまでの2択から選択肢が一つ増えたので、早速購入して「ゴクゴク」と飲んでいると、同級生から「家で飲めるお茶を買うの? もったいないでしょ」と言われた記憶があるわけだが、ミネラルウオーターでも同じような現象が読者の周囲でも起きていたのではないだろうか。「水道水を買うなんて、あり得ない」と。
では、ここで質問である。国内の清涼飲料水で最も売れているブランドは何か? と聞かれたら何と答えるか。「うーん、缶コーヒーのジョージアかな」「いやいやいや、お〜いお茶でしょ」など、さまざまな商品を思い浮かべるかもしれないが、飲料総研の調査によると、2018年から3年連続で「天然水」が首位をキープしているのだ。20年の販売数量は1億1290万ケースで、このままのペースでいけば数年後に1億2000万ケースを突破する勢いである。
ちなみに、10年ほど前はどうだったのか。10年時点の販売数量は5000万ケースで、清涼飲料水の中で6位。当時、上位にランクインしていたのはコーヒー、お茶、コーラだったが、18年に天然水が首位に躍り出たのだ。その背景として、ミネラルウオーターの消費量が増えたから、健康意識が高まったから、ブランドの価値が向上したからなどが挙げられると思うが、筆者が注目しているのはソコではない。では、どこに興味があるのかというと……。
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