東京メトロは8月7日、半蔵門線の新型車両18000系の運行を開始した。約40年にわたって運用してきた8000系に代わる車両で、2025年度までに19編成190両の導入を予定している。
半蔵門線は、渋谷、表参道、清澄白河、押上などのほか、東急田園都市線や東武スカイツリーラインとの相互直通運転を行い、埼玉県から神奈川県までをつないでいる。
18000系のコンセプトは「伝統と新しさが交じり合う街にさらなる活力を」。路線カラーのパープルを基調とし、「沿線の街に活力を与えるようなデザインとした」(同社)とする。
エクステリアは、従来の8000系車両や08系車両の表情を受け継ぎ、前面から側面の形状に合わせて、直線的な形状のヘッドライトを配置。親しみやスタイリッシュさを感じられるようにした。また、車端上部にはピクトグラムを用いたフリースペースのサインを表示し、車いすやベビーカーなどを利用するお客からの視認性を向上させた。
インテリアは、半蔵門線のラインカラーであるパープルを基調に、車内床下から天井に向かって明るい色になるような配色とした。連結面や座席横の仕切り、荷棚には透明な強化ガラスを採用し、車内の開放感を高めた。
座席幅は、8000系車両の430ミリメートルから460ミリメートルへ拡大した。また、全車両へのフリースペースの設置、車両とホームの段差低減、出入口下部の形状をホーム側に傾斜させるなど、利便性の向上も図った。
安全・安定性の向上にも取り組んだ。走行中の機器状態を総合指令所や車両基地から遠隔でモニタリングできる「TIMAシステム(車両情報監視・分析システム)」を導入したほか、万一脱線した場合にも自動で列車を停止させる脱線検知装置を搭載した。
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