壁がない会議スペース、家具はサブスク──コニカミノルタの“進化し続ける”オフィスの全貌:本社を刷新(2/4 ページ)
コニカミノルタジャパンが、本社オフィスをリニューアル。ミーティングスペースなのに壁を作らず、グリッド線で区切っていたり、オフィス家具をサブスクリプションで借りていたり──と、工夫を凝らしている。
- 1. 集中力を高めるHigh Focusエリア
- 2. 議論を弾ませるHigh Collaborationエリア
- 3. 創造性を高めるHigh Creativityエリア
- 4. 機能的な環境により業務を最適化するHigh Functionエリア
- 5. 高いセキュリティ機能を持つHigh Secureエリア
- 6. 共創を生み出すHigh Innovationエリア
- 7. 社員のエンゲージメントを高めるHigh Communityエリア
すでに6、7を除く5つのエリアが、本社オフィスの1フロアでオープンしている。
興味深いのがHigh Collaborationエリアのレイアウトだ。ここは、チームがミーティングを行うためのエリアだが壁がない。16の区画を仕切るのは床に描かれたグリッド線のみ。その区画ごとに異なる家具が置かれている。
「Face to Faceでの共創には刺激があったほうがいい」と梅田さん。「いつもと同じような会議、いつもと同じような議論にならないため、用途の異なる家具を配置している」と言う。
また、16グリッドのうち6グリッドに配置している家具は自社所有のものではなく、サブスクリプションだという。年に1度、利用率を調査したり、利用者の声を聞いたりして、適切かどうかを見直せるようにしたのだ。
High Collaborationエリアの俯瞰図。16の区画は床に描かれたグリッド線のみで仕切られており、会議の内容にふさわしいと思う区画を予約できる仕組みだ。このうち6区画の家具はサブスクリプションで導入しており、年に1度、利用率に応じて見直す
壁を作らず、グリッド線を引いただけのレイアウトにしたのには理由がある。隣で行われているミーティングの声が聞こえてくることにより、自然に情報共有が行えるようにした。そうして部門を超えたコラボレーションを生み出してほしい、という期待を込めている。
「部門内のコラボレーションだけではなく、部門を超えた、より高いコラボレーションが行えるのがHigh Collaborationエリア。リモートではなかなか起こり得ない共創を期待している」(梅田さん)
High Creativityエリアには、アイデアを生み出しやすい仕掛けを施しているという。リラックス気分を生み出すグリーンを配置したり、そこに居合わせた人と会話しやすい環境を作ったり──というものだ。
創造性を高めるためのHigh Creativityエリアには、偶発的な出会いを生み出し、何気ない会話からアイデアを膨らませたり、発見を得られたりするように工夫を施している。グリーン、有機的に制限時間を計れる砂時計、ネタの宝庫となる書籍類、小鳥のさえずりなどがあり、ちょっとした気分転換にも役立ちそうだ
複数人で会話できるスペースと1人で作業するスペースをランダムに配置することで、1人で考えている最中に行き詰まったら、ちょっと出掛けて人と会話し、そこでふくらませたアイデアを、1人用スペースに戻って練り上げる──といったことが可能になるという。
旅客機にあるファーストクラスのような座り心地の良い椅子のある部屋や、プラネタリウム空間など専用の部屋も用意し、リラックスしてアイデアを生み出しやすくしている。この専用空間には、個々の従業員に「会社から大切にされている」と感じてもらい、満足度を高める狙いもある。
活発に議論を行うHigh Collaborationエリアと、集中して作業を行いたいHigh Focusエリアは隣接しているが、会議の声が聞こえるとなると、集中力を削がれてしまうことはないだろうか。
梅田さんは「私自身は、カフェなどの“ワイガヤ”空間のほうが集中できる」と前置きした上で、「とはいえ、うるさすぎる、まぶしすぎる空間では難しい。そこで、High Focusエリアでは集中力を高める3つの工夫を施した」と続ける。
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