PPIH、通期決算を発表 インバウンド“蒸発”で駅前ドンキが苦戦するもユニーが好調:海外も好調(2/3 ページ)
ドン・キホーテなどを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが2021年6月期通期の連結決算を発表した。コロナ禍で国内のディスカウント事業が苦戦する一方、GMS事業や海外事業が好調で、増収増益を達成した。
GMS事業は堅調
GMS事業においては、コロナ禍の追い風もあり、既存店売上高が前年比102.6%と好調な状態を維持した。
PPIHは現在、GMSのリニューアルや業態転換を積極的に進めている。具体的には、傘下のユニーが「PIAGOプラス妙興寺店」(愛知県一宮市)を、21年3月に「PIAGOパワー妙興寺店」としてリニューアルオープンした。同店舗は20年6月にフルリニューアルしたばかりだったが、顧客ニーズに合わせてスピード感を持って再リニューアルした。妙興寺店は、改装後の売り上げが前年比141.5%と好調だった(20年7月〜21年6月の実績)。
また、新しい実験として、ドンキがテナントインする形で改装したアピタ宇都宮店(宇都宮市)の売り上げも同126.3%と好調だった。リニューアルした店舗は、平均で売上高が123.4%、客数が119.6%それぞれ伸長した。
アジア事業では日本産品が好調
アジア事業においては、台湾・マレーシアに新規出店をした。また、好調な香港で5店舗、シンガポールで1店舗それぞれ出店した。新規出店は計8店舗で、合計で19店舗になった。
前年と比べ、同事業の売り上げは293億円増となった。また、日本産品をPPIHの海外店舗で販売するための会員組織「PPIC」の活動も業績に貢献した。同組織の会員(生産者や関係団体)は300近くに拡大。日本産品が店舗で支持された結果、営業利益は39億円増と大幅に伸長した。PPIHは、和歌山県など4県と連携協定を締結しており、各県で2030年における農産品などの輸出目標額を100億円としている。
北米事業においては、コロナ禍を背景とした外食の代替需要が売上高と営業利益を押し上げた。カリフォルニアでは、マスクなどの衛生用品を日本から輸出し、売り上げに貢献した。ハワイでは観光客が減少したが、ローカルスーパー業態が売り上げを下支えした。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 「100円×3個=301円」問題でセブンが公式に謝罪 見習うべきは「イオン方式」か
「税込100円×3個=301円」問題で混乱が起きたセブン。お客が困惑した根本原因は事前告知が不足していたことだ。ただ、イオンが採用する価格表記を採用する道もあったかもしれない。 - 新成人が「欲しい車」ランキング 3位はフォルクスワーゲン、2位はBMW、1位は?
ソニー損保が新成人のカーライフ意識調査を実施。普通自動車運転免許の保有率や欲しい車が明らかに。どんな傾向があるのか。 - スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」がどんどん“ドンキ化” 一方で住民から不安の声も
スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」が“ドンキ化”している。運営会社は2022年をめどに、約100店舗を業態転換する方針だ。その一方で、生まれ変わる予定のアピタ岐阜店の周辺住民からは不安の声が出ている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.