アラジンの魔法? 登録者数900人で停滞するYouTubeが160万再生まで行き着いた策は、この3つ:もがきながらたどり着いた(1/3 ページ)
ディズニー映画アラジンの主題歌「ホール・ニュー・ワールド」を沖縄方言で歌うYouTube動画が人気だ。再生回数は166万回で、今も伸び続けている。沖縄で活躍するアーティストたちが採算度外視で制作していて……。
照屋 剛志(てるや たけし)
沖縄タイムス編集委員。2003年入社。販売局を経て10年から政経部で経済記者。社長直轄の新規事業創出チームにも携わり、21年1月から現職。音声配信アプリVoicy(ボイシー)でニュース配信番組「サクッと沖縄」も運営している
ディズニー映画アラジンの主題歌「ホール・ニュー・ワールド」を沖縄方言で歌うYouTube動画が人気だ。再生回数は166万回で、今も伸び続けている。沖縄で活躍するアーティストたちが採算度外視で制作しており、クオリティーの高さを評価するコメントが世界中から届く。だが、始めてから1年半は登録者数が900人と伸び悩んでいたという。苦境を脱した策は3つあった。
音楽と映像のクオリティーに目が釘付け
澄んだ三線の音色が流れ、沖縄の海を思わせる青色の伝統的な陶器「やちむん(焼き物)」の酒器が映し出されて動画が始まる。ダブルネック三線や打楽器のカホン、ギタレレが曲を奏でる中、男女のボーカルが明るくおしゃれなカフェの中を歩きながら、ホール・ニュー・ワールドを歌う。カットなしのカメラワークで、店内の花ブロックや、窓の外のまぶしい光景も入り、沖縄らしい雰囲気を目でも楽しめる。
沖縄方言でウケを狙った動画と思っていたら、音楽と映像の想像を超えるクオリティーの高さに目が釘付けになってしまった。
沖縄のプロたちが本気で作るミュージックビデオ
動画を作っのは、沖縄で活躍するアーティストチーム「nanaironote(ナナイロノート)」。リーダーを務める作曲家のHOMARE(ホマレ)さんは「すごいでしょ」と笑う。
「本気でミュージックビデオを作っています」。出演者もカメラマンもプロをそろえ、楽曲の収録は本格的な機材がそろうスタジオで半日かけるという。
「独自の芸能文化を築いてきた沖縄は、多彩な才能を持った人たちがいっぱいいる。沖縄で頑張るアーティストたちと組めばハイクオリティーな動画ができるし、その動画を世界に発信すればアーティストの仕事も増えると思った」と制作の意図を説明した。
プロの集団が本気で作る動画は「必ずバズる」と自信を持って、2018年に配信をスタート。だが、1年半続けても再生回数は思うように伸びず、登録者数は900人どまりだった。
ビリー・ジョエルやエド・シーラン、ヴァネッサ・カールトンなどのハイレベルな洋楽を歌唱力豊かな本業の歌手が、原曲のままの英語で披露する。聞き応えも見応えも充分あるはずなのに。ホマレさんは「なぜ再生回数が増えないのか分からず、ずっと悩んでいた」。
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