連載
ゆで卵は簡単につくれるのに、なぜ「エッグマイスター」は3万5000台も売れたのか:あの会社のこの商品(3/6 ページ)
卵は高タンパク低カロリーで筋トレやダイエットに最適な健康食材。一番ポピュラーな食べ方は、簡単につくれるゆで卵だろう。とはいえ、おいしくつくるとなると難しく面倒臭いものだ。そんな面倒臭いゆで卵づくりを楽にし、なおかつおいしく仕上げてくれる家電が現在、売れている。
1万2000回にまで達した調理試験
「固ゆで」「半熟」「温玉」はそれぞれ、ゆでる温度と時間が異なる。つくるものに合わせてこれらを微妙にコントロールすることが求められることから、各メニューをつくるためのプログラムをつくり、本体内のICチップに組み込むことにした。
プログラムは、湯温が固ゆで、半熟の場合は93〜95度、温玉の場合は70度前後に達したら水を沸かすヒーターが切れ、ある温度まで下がったら加温し一定の温度帯を維持し一定時間ゆでる、といったもの。本体底面に水温を測るセンサーを搭載し、センシングしながら湯温を制御する。
試作をつくっては調理試験を実施し、結果を踏まえてプログラムの修正を繰り返した。メニューが固ゆで、半熟、温玉と3つあるので、実施した調理試験は1万2000回ほど。予想をはるかに超える試験回数となった。
手間取ったのは温玉だった。「全部同じ出来栄えにするまで手こずり、最後は卵を見るのも嫌になったほどです」と振り返る佐藤氏。また半熟については、黄身の仕上がり具合をどの程度にするかで迷ったという。なかなか結論が出ず、最後は社内で好みを調べ最も多かった回答を基準とすることにした。
関連記事
- 27時間で完売! ダイヤルを回すだけで温めることができる「レトルト亭」が面白い
レトルトカレーをそのまま温めることができるアイテムが登場した。電子レンジでもなく、ガスも使わない。ダイヤルを回すだけで温めることができる「レトルト亭」とは、どんな商品なのかというと……。 - トイレの個室に「使用時間」を表示 で、どうなったのか?
首都圏のオフィスで、ある「実証実験」が行われた。トイレの個室に「他の個室の使用状況」と「滞在時間」を表示したところ、どういった効果があったのだろうか。システム開発を手掛けているバカン社の河野社長に話を聞いたところ……。 - コクヨのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」、1万台以上売れた秘密
子どもが小学校に入学すると、多くの親は子どもがきちんと勉強してくれるかどうかについて不安を覚える。そんな不安を解消するために、文具最大手のコクヨは、IoT技術を用いた親子間コミュニケーションで子どもの学習意欲を引き出すことを目指した。そのために開発されたのが、「しゅくだいやる気ペン」だ。 - 電動スクーター「ブレイズスマートEV」は、なぜ3000台以上も売れているのか
名古屋市に本社を置く自動車ディーラーのブレイズが開発した電動スクーター「ブレイズスマートEV」が注目を集めており、売れ行きも好調だ。人気の秘密を取材したところ……。 - ロンドンで「うどん」が大盛況! なぜ丸亀製麺はコロナ禍に欧州を攻めるのか
国内外に1000店舗以上を展開する丸亀製麺。21年7月には、英国でロンドン1号店をオープン、同時に欧州展開を本格化すると発表し、話題を呼んだ。世界的に不安定な情勢の中、なぜ丸亀製麺は欧州に焦点を当てるのか。同店を運営する担当者に話を聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.