洋服の青山、“1万円を切るスーツ”を増産 新色投入で需要を取り込む:ワークスーツ市場は右肩上がり
「洋服の青山」を展開する青山商事は、7月に発売した機能性スーツ「ゼロプレッシャースーツ」に新色を加え、9月16日から順次追加販売する。
「洋服の青山」を展開する青山商事は、7月に発売した機能性スーツ「ゼロプレッシャースーツ」に新色を加え、9月16日から順次追加販売する。上下セットで1万円を切る価格帯とスポーツ素材を使用した機能性が好評だといい、品薄状態が続いていた。
価格はジャケット6050円、パンツ3850円。素材には、水着などに使用される旭化成のストレッチ繊維「ROICA(ロイカ)」を使ったニット生地を採用した。縦・横の両方向への高い伸縮性が特徴で、一般的なスーツと比べ、縦・横ともに同社比で6倍のストレッチ性があるという。
7月からECで、8月には店頭での販売を開始したところ、予想以上の反響があり完売している店舗もあるという。さらなる需要の増加が見込まれることから同社は増産を決定。これまでのブラック・ネイビーに加え、ブラウン、グレーの2色を新たに展開。ECサイトと一部店舗にて取り扱う。
矢野経済研究所によると、高いストレッチ性や防シワ、ウォッシャブルなどの機能性を持たせたワークスーツの市場規模は年々増加し、2020年の国内ワークスーツ小売市場は前年比152.5%の61億円となった。
矢野経済研究所は「メインターゲットはITや各種の工事、配送などを行う、主に技術職に携わるビジネスパーソンである」と分析。軽作業を行い、かつ得意先に出張や出向を行うので身なりに気をつかいたい技術職の男女を中心に需要が発生しているとした。
この需要を取り込もうと、大手紳士服メーカー以外でもワークスーツの開発、販売に力を入れている。ワークマンは2月に「リバーシブルワークスーツ」を発売。8月には第2弾として「電熱ヒーター付きジャケット」などを発表している。
また、オアシススタイルウェア(東京都港区)が展開する「WWS(ダブリューダブリューエス)」は“ANA特別仕様”マスク専用抗菌ポケット付きセットアップなどを発売。各社が新たな需要の獲得に取り組んでいる。
矢野経済研究所は、国内のワークスーツ市場は今後も拡大するとしていて、21年は110億、25年には210億円規模に達すると予測している。
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