ミドル世代の転職が厳しくなった? ホワイトカラーのキャリアアップはどうすればいいのか:結果が出ないから辞めたい(2/3 ページ)
最近「転職したい」という、ミドル世代の声をよく聞くようになってきた。実際、このコロナ禍で、仕事のやり方、内容が大きく変わり、「自分の仕事はほんとうにこれでいいのか」と考える人は相当いるのではないかと思う。
転職はしたいが、実際は難しい状況のなかでは、結果として今の会社にしがみつく以外にはないのか。
「転職したい」と考えるのは、まさしく、自分の存在意義をいまの会社で感じることができなくなったことが大きな要因ではないかと思う。
半面、実際の転職が活性化していないのは、これまでは、人と会う、会社に行くという仕事(成果を出すための手段)が仕事だと勘違いしていたことが自分でも分かったからだろう。
とはいえ、いまの組織を離れ、自分の扱うコンテンツが変わったときに、ビジネススキルとして、「自分の出せる結果はこれです」と言える人は、ほとんどいないだろう。
組織ルールのなか、あてがわれた役割において結果を出すスキルと、新たな市場に対して自ら動き結果を出すスキルはまるっきり違う。
そしてこのコロナ禍で、「あてがわれた役割」がいとも簡単に変わってしまうことが明らかになった。
ミドルといえども、まだまだビジネス人生は長い。すでに多くの企業では65歳までは働く環境は整っている。しかし、テレワークなどによる企業での、結果を出すまでのバリューチェーンが明らかに変わり、そこに対応できなければ、60歳以降、まともな報酬を得ることは相当困難だ。
しかし、これは逆に考えれば、いまは健康寿命が伸び、肉体的には70歳でも何ら問題なく仕事はできる。時代に即して自己変革さえできれば、何歳になろうが仕事で結果を出す環境ができたとも言える。
ただし、その自己変革とは、「職業訓練」と言われる国や団体からの支援からでは生まれないだろう。これまでの国による中小企業支援の仕組みや、公務員自体の働き方の変化を見るに限っては、人や企業への変革支援ができるとは思えない。
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