コンビニ弁当の価格が“三極化” セブンは「270円」を投入、ミニストップは「599円」が好調:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
500円前後がボリュームゾーンだったコンビニ弁当の価格帯が広がっている。大手は200円台や300円台のミニ弁当を相次いで発売。一方、ミニストップは599円という高額の弁当が売れている。
ファミマは356円弁当を投入
ファミマは、9月7日に新たなファミマトクトク弁当として、356円にて「タルタル鶏天丼」と「直火焼チャーシュー丼」の2アイテムを発売した。
消費者の節約志向などに対応するため、満足感がありながらもちょうど良いサイズと価格の弁当を目指して開発した。サラダやデザートとの買い合わせが楽しめるようにしており、お手軽感がある商品として訴求している。
タルタル鶏天丼は、鶏肉を塩こうじに漬け込み、白だしやあごだしなどで下味を付けたしっとりやわらかな鶏天に、タルタルソースを合わせ、ご飯にのせている。購買層は20〜30代の男女。
直火焼チャーシュー丼は、豚バラチャーシューのうまみを引き出すため直火で焼き上げ、ザラメと豚脂を使用したコクのある甘いたれを絡めた。チャーシューの調理は、ご飯との相性を考慮した。購買層は40〜50代となっている。
いずれも手の込んだ商品で、通常の弁当よりも女性の購買比率が高い。今まで同社にはなかった低価格でも満足感ある弁当となっており、滑り出し好調とのことだ。ファミマトクトク弁当と一緒に買われるサラダ、総菜、デザートは100〜200円台が中心。
600円に近い高額ゾーンでは、2月に発売した「肉の旨み感じる ビーフハンバーグ弁当」(598円)がある。ハンバーグを焼くまでは0度以下で管理し、解凍の方法や焼くラインにも最新の技術を導入して、牛肉のうまみを引き出す工夫をしたという。そのようなこだわりが実って好調に推移している。
また、6月にリニューアルした「特製ダレの炙り焼牛カルビ重」は580円で発売。ご飯大盛の300グラムをアピールして好調な販売を積み重ねている。直火で炙った牛カルビに香味野菜を含んだコクのあるたれをトッピングしており、ご飯の上一面に牛カルビを敷き詰めたビジュアルもインパクトがある。
通常の価格帯はどうか。8月に40周年復刻商品として、07年にサークルK・サンクスから発売された「びっくりのり弁」(530円)と、1987年にファミマが取り扱っていた「ビックリチキンカツ弁当」(450円)を3週間限定で再発売。懐かしさから買い求める人が多く好調に推移した。びっくりのり弁はサークルK・サンクスのファンだった人にも喜ばれ、販売期間を延長した。
高単価でも味を追求した商品やボリューム感ある商品ならば顧客満足度が高く、よく売れる傾向が出ているのだ。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 「100円×3個=301円」問題でセブンが公式に謝罪 見習うべきは「イオン方式」か
「税込100円×3個=301円」問題で混乱が起きたセブン。お客が困惑した根本原因は事前告知が不足していたことだ。ただ、イオンが採用する価格表記を採用する道もあったかもしれない。 - 大量出店の「やっぱりステーキ」が、今後も“独走”を続けられそうな理由
低価格ステーキチェーンの「やっぱりステーキ」が順調に店舗数を伸ばしている。他の低価格ステーキチェーンが伸びているわけではないのに、なぜ「やっぱり」は好調なのか? - 「生ビール190円」の原価率は85%? お客が3杯飲んでもしっかり利益が出る仕組みとは
「生ビール1杯190円」という看板を見かける。安さでお客を引き寄せる戦略だが、実は隠されたメリットもある。どんな狙いがあるのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.