「おならのニオイ消しパッド」から「空飛ぶクルマ」まで、イノベーションを生む企業ランキング:世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)
ボストン・コンサルティングが発表した「世界でも最もイノベーションを生み出している企業ランキング」によると、2位はアルファベット社、1位はアップルだった。ポストコロナ時代、イノベーションを生み出す企業に共通する要素とは。
世界で最もイノベーティブな企業ランキング、1位は?
米国のコンサルティング会社「ボストン・コンサルティング・グループ」が、世界でも最もイノベーションを生み出している企業ランキングを発表している。調査は世界的なイノベーション企業と呼ばれる大手が対象で、2021年2月までにイノベーション事業などに関わった1600社を対象に行っている。
イノベーションの指標となるのは、4つ。まずは、グローバルな「マインドシェア」。マインドシェアとは、企業に対する認知度のことだ。2つ目は、専門家による評価。イノベーション系の企業に勤める人たちからの評価である。3つ目は、産業界の境界を超えたイノベーションで、広く使えるかどうかだ。最後はそれによってリターン(利益)が得られる見込みがあるかどうか、である。
調査の結果、1位はアップル社だった。もはやここで説明するまでもないが、常にイノベーションを大事にしており、同社の製品発表会は毎度世界中が注目している。
同社は21年10月、イノベーションの象徴的な存在であった創業者のスティーブ・ジョブズが死去して10年になる。ジョブズが自宅ガレージで始めた同社は、さまざまな革新的な製品を世に送り出してきた。だが、フランスのAFP通信(10月5日付、日本語版)は、「利益のために魔力を手放したのか」と投げかけ、米ハイテク関連調査会社エンダール・グループのアナリスト、ロブ・エンダールが「アップルは忠実なユーザーからお金を巻き上げることにたけている、財務実績にフォーカスした企業になってしまいました」と批判したと報じている。
それでも一度クビになったジョブズが1997年に同社に戻ってからも、期待を裏切らないイノベーションを提供し続け、19年には社員数が17万3000人で、2600億ドルの売上高を誇るまでになっている。世界でもっともイノベーティブな企業と言って異論はないだろう。
2位に入ったのは、アルファベット社。グーグルの親会社だ。検索エンジンの会社であるが、最近では自動運転技術開発部門のWaymo(ウェイモ)も新たに資金調達をした。ほかにも、Google Glass(グーグルグラス)なども米国で発売し、改良を続けている。これからの展開にも注目だ。
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