2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

みんなの銀行は、ネット銀行と何が違う? 銀行なのに絵本のようなアプリ金融ディスラプション(2/3 ページ)

福岡地域の地銀グループ、ふくおかフィナンシャルグループ傘下として、「デジタルバンク」をうたい5月に開業したのがみんなの銀行だ。銀行らしからぬ、まるでフィンテックスタートアップのようなアプリのUIUXはどうやって生まれたのか? またみんなの銀行は何を目指すのか。みんなの銀行のIT責任者である宮本昌明氏に聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

Googleクラウドで基幹システムが動作

 UIだけでなく、基幹システムのインフラも日本ではじめてパブリッククラウドに構築した。採用したのはGoogleクラウドだ。完全分散データベースであるCloud Spannerと、データ分析用のBigQueryが決め手だったという。

 銀行のような止まってはいけないシステムの場合、実際に稼働するシステム(アクティブ)と、問題が起きたときに切り替えるスタンバイのシステムを持つことが多い。しかし分散処理が可能なCloud Spannerを使うことで、両方を同時に稼働させるアクティブ・アクティブの構成を可能にした。「読み書きともに両方のシステムで対応できる。ほとんど使わないスタンバイシステムにお金を掛けることもなくなる」(宮本氏)

 システムには勘定系パッケージを使わず、ゼロから自分たちで開発した。「ドメイン駆動設計で設計し、マイクロサービスの組み合わせで構成。それらがコンテナベースで動いている」(宮本氏)。銀行側が要件を決めて、それをベンダーが作るという形ではなく、サービスごとにユニットを作り、銀行員、デザイナー、エンジニアが議論して開発するという体制も取った。現在の社内エンジニアは60人を超えている。外部にパートナー企業が100人単位でいるが、数年後には300〜400人はいないとやりたいことができないと話す。


Googleクラウド上の勘定系基盤構成イメージ

 「Googleクラウドは、どんどん伸びていくクラウドだと思っている。AWSにするとエンジニアは多いし、教育制度も充実しているが、エンジニアにとってワクワク感があるのかは疑問。新しくもなんともない。面白みがない。Googleクラウドは、新しい機能が生まれている最中なのでやっていて楽しい」(宮本氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る