コンビニも注目する「カレーパン」ブームのなぜ 専門家が指摘する“必然性”とは:火付け役はどこ?(1/3 ページ)
カレーパンブームが起きている。パン屋さんの人気者として君臨しているだけでなく、今や専門店やホテルでも売られているし、コンビニ各社は販売にチカラを入れている。昔からずっと売られているのに、なぜ今ブームが起こっているのか? 他にも疑問は残る。焼きそばパンやコロッケパンなど総菜パンは他にもあるのに、なぜブームが起きているのはカレーパンだけなのか? 専門家や専門店、コンビニに話を聞いてみたところ……
カレーパンブームの到来は誰の目にも明らかだろう。もちろん以前からパン屋の人気者ではあったものの、専門店が増え、ホテルでも提供されるようになり、コンビニではスタメンに選ばれている。
そもそも、なぜカレーパンブームは起こったのだろうか? そして、焼きそばパンやコロッケパンなど、総菜パンは他にもあるはずなのになぜ、カレーパンだけがこんなにも注目を集めているのだろうか。
毎年、カレーパングランプリを開催したり、カレーパンを研究したりしている、カレーパン協会の宮脇小百合専務理事にブームの背景を開設してもらった。そして、専門店、コンビニ各社にカレーパン合戦の”戦い方”を聞いた。
カレーパンブームはなぜ起こった?
筆者は、コンビニ各社、特にセブン‐イレブンの店頭で「お店で揚げたカレーパン」のぼりを目にするようになって流行(はや)りを意識するようになった。しかし、宮脇氏からはこんな答えが返ってきた。
「可視化されたのは最近ですが、ブーム自体は5〜6年前から水面下で起こっていました。カレーパン協会は2013年に発足したのですが、15年にカレーパンを販売するイベントを二子玉川で開催したところ、非常に好評でした。
カレーパンへの注目度の高まりは、コロナ禍と関係があると考えています。三密回避のためにテークアウトを選ぶ人が増えました。カレーライスはもともと国民食といわれるほど人気が高いものの、器に盛る必要があるためテークアウトしてそのまま食べるには向いていませんでした。しかし、カレーパンであれば、ワンハンドで食べられて、価格帯もそこまで高くありません」
加えて、バラエティに富んだカレーパンの登場もブームを後押ししたと分析している。「インスタ映えするカレーパン」や、牡蠣や卵がまるまる1個入っている「具が巨大化したカレーパン」、ビーガン向けの「ヘルシーカレーパン」など「選ぶ楽しさ」が生まれたこともきっかけとなった。
同協会が毎年開催している、全国のおいしいカレーパンを選出する「カレーパングランプリ」の投票数も増加傾向にあるという。19年は約1000票だったのが、今年は約4800票と大幅な変化があった。
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