そのデータ管理、大丈夫? 電帳法改正で見直す、情報セキュリティ:22年1月に向けて(1/6 ページ)
2022年1月から施行される電帳法改正によって、電子データを印刷し、紙として保存する手段が認められなくなる。紙ベースの管理がメインだった管理部門の場合だと、施錠できないところに国税関係書類や契約書を置くことに不安を感じることもあるのではないだろうか。電子データの保存に必要になる、セキュリティ対策について解説する。
2022年1月から施行される電帳法改正によって、紙から電子データに移行する際に必要だった多くの要件は緩和された。だが、それと同時にPDFファイルなどの電子データを印刷し、紙として保存するという代替手段は認められなくなった。
「取りあえず紙に印刷して今まで通りの保管方法をしておこう」という逃げ道がなくなったため、電子データはそのままの形で保管しなければならない。
もちろん管理方法は従来の電子データと大きく変わるわけではないが、紙ベースの管理がメインだった管理部門の場合だと、施錠できないところに国税関係書類や契約書を置くことに不安を感じてしまう人もいるのではないだろうか。
この機会に電子データのセキュリティについて見直してみよう。
情報セキュリティの7要素
電子データの扱いにおいては、情報セキュリティの7要素──機密性、可用性、完全性、真正性、責任追跡性、否認防止、信頼性を維持することが重要となる。これらは多くの人が漠然と「情報セキュリティ」としてイメージされているものを明確化したものだ。
これら7要素が維持できれば情報セキュリティは守られている、漏れがあれば守られていないと考えられるため、情報セキュリティの具体的な対策を考える際に非常に役立つチェックポイントとなる。
まずはそれぞれがどういったもので、それが損なわれると何が起きるのかを見ていこう。
関連記事
- 「ペーパーレスは手段でしかない」 紙をほぼ使わない企業に聞く業務改革のコツ
ウォンテッドリーでは、コロナ禍以前から意識的に紙業務を廃止してきた。経理業務ではほぼ100%、契約業務でも92%をデジタル化しているという。ペーパーレスのメリットや業務フローのデジタル化のコツについて、法務部門の植田貴之さん、 執行役員・コーポレート担当の兼平敏嗣さんに話を聞いた。 - 創業83年の製造業が大改革──東京本社は90%以上テレワーク、「紙・はんこ文化」からの脱却! その秘訣とは?
製造業にとって、働き方改革は容易ではない。それでもテレワークやペーパーレスはじめとする新しい働き方を積極的に取り入れているのが、ダイカストメーカーのアーレスティだ。緊急事態宣言下では多い日は90%以上のテレワーク率だというアーレスティは、これまでどのようにして働き方改革を浸透させてきたのか。 - <スキャナ保存編>知識ゼロから読める改正電帳法「一問一答」
2022年1月1日施行が予定されている「改正電子帳簿保存法」(以下、改正電帳法)。ここからは、基本編に続き、持木健太氏(TOMAコンサルタンツグループ 取締役)協力のもと「スキャナ保存編」と題して、国税庁の公式サイト「一問一答」をかみ砕いて解説する。 - 令和3年度の電子帳簿保存法 「うちは関係ない」とは言えない、2つの注意点
令和3年度(2021年)の税制改正で、電子帳簿保存法が改正されました。これまでと比べると抜本的改革というべき内容です。ただ、留意すべき点が2つあります。 - 多くの企業が取り組む「スキャンで紙をデジタル化」がダサい理由
多くの企業が電帳法対応で取り組む「紙書類のスキャン」だが、それを「ダサい」と指摘するのが、中小企業の経理業務に詳しい税理士の杉浦直樹氏だ。簡単にデジタル化できるスキャンが、いったいなぜダサいのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.