ニュース
“みんなそろって昇進”だったカゴメ ジョブ型に舵切りしたCHOが明かす「社内改革の鉄則」とは:経営陣をいかに説得したか(1/4 ページ)
社員間で人事評価に差が付かず「85%が同じ評価」、入社16年が経たないと課長になれない、若い人は優秀でも比較的給与が低い──2012年に入社した有沢正人氏は、「これはあかん」と改革に乗り出した。
カゴメでCHO(最高人事責任者)常務執行役員を務める有沢正人氏が中途入社したのは、2012年1月のこと。入社早々に、当時の社長の西秀訓氏から「なんとかしてカゴメをグローバル化したい。そのために、人事制度を変えてくれ」とリクエストを受けたという。
当時、カゴメの海外売上高は約10%。少子高齢化で国内の市場が縮小するなか、経営層は海外での売り上げをさらに伸ばす必要性を認識していた。
社員間で人事評価に差が付かず「85%が同じ評価」、入社16年が経たないと課長になれない、優秀な若い人の働きが給料に十分には反映されていない──当時の社内の状況をアンフェアだと感じ、改革に乗り出した。
社内に閉塞感があった訳ではないが、会社の将来を考えると、若い人のモチベーションにつながりづらい状況は変えるべきとの思いだった。それから10年あまり、現在はジョブ型雇用を導入し、「異能異彩の採用」を打ち出すなど、社内には大きな変化があった。これらを主導した有沢氏が明かす、社内改革の鉄則とは。
経営陣も青ざめる、“日本的な人事制度”の実態
関連記事
- 「売り上げが落ちてもいいから、残業をゼロにせよ。やり方は任せる」 社長の“突然の宣言”に、現場はどうしたのか
「来年度の目標は、残業時間ゼロ」──社長の突然の宣言は、まさに寝耳に水の出来事だった。準備期間は1カ月。取り組み方は、各部門に任せられた。現場はどう対応したのか? - “パートは低賃金で当然”の日本で、なぜ「全従業員を正社員化」できた? イケア・ジャパン人事に聞く
いわゆる「同一労働同一賃金法」より約6年も前に、イケア・ジャパンはパートタイマーを含め全従業員を正社員雇用に切り替えた。なぜそのようなことができたのか。イケア・ジャパン人事にインタビュー。 - 障害者雇用で「障害者ができそうな仕事を探す」企業は、既にやり方を間違えている
障害者を雇用するにあたり、多くの企業は社内で「障害者にやってもらえる仕事はあるか」と聞いて業務を探しているが、これは最適な方法ではなく、もっとうまくいくやり方があるとリクルートスタッフィングの飯尾朋子さんは言う。 - 「優秀だが、差別的な人」が面接に来たら? アマゾン・ジャパン人事が本人に伝える“一言”
多様性を重視するアマゾン・ジャパンの面接に「極めてだが優秀だが、差別的な人」が来た場合、どのような対応を取るのか。人事部の責任者である上田セシリアさんに聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.