くら寿司、11月3日から「鬼滅」キャンペーン 開催時期は“たまたま”恵まれる:第6弾まである(2/2 ページ)
「くら寿司」は11月3日から「鬼滅」キャンペーンを実施する。過去に実施したキャンペーンは業績に大きく貢献してきた。今回の開催時期が恵まれている理由とは?
歴代最高の売り上げを記録したことも
くら寿司は、これまで何度か鬼滅の刃とのコラボキャンペーンを実施している。
1回目は、2020年6月。くら寿司アプリ会員またはSNSフォロワー限定で、2000円以上の会計をしたお客を対象にオリジナルグッズをプレゼントした。5月下旬に東京など5都道県への緊急事態宣言が解除されたことも追い風となり、既存店売上高は前年同月比97.4%まで回復した。感染拡大が本格化し始めた4月が同51.9%、5月が同80.0%だったことを考えると、大幅な回復だった。
同年9〜10月は、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の公開を記念したコラボ企画を実施した。従来のようにオリジナルグッズをプレゼントしただけでなく、「炭治郎のぶっかけうどん」(308円)といったコラボメニューも登場した。このキャンペーンの影響で20年10月の「店舗売り上げは歴代最高を記録した」(広報担当者)。既存店売上高も同126.1%と跳ね上がっている。背景にあるのは、店舗における非接触サービスの導入が進んでいることが、お客に知られるようになったこともあるという。具体的には、店員を介さずに席まで案内する「セルフ案内」(20年9月末時点で322店舗に導入)や、食べたお皿の枚数を自動でチェックする「セルフチェック」(同168店舗に導入)などが挙げられる。
キャンペーンの準備は1年前から
コロナの第5波が収束し、緊急事態やまん延防止等重点措置も解除された。さらに、東京都など5都府県では、飲食店への時短要請が解除されており、外食を楽しもうと考えるファミリー層が増えることが想定される。
10月10日から、鬼滅の刃の“無限列車編”のテレビ放送が始まった。12月5日からは“遊郭編”の放送が決まっている。
同社の場合、キャンペーンの準備を約1年前からしている。開催時期を、今回のような緊急事態やまん延防止等重点措置の解除明けという“好機”に重ねられたのはたまたまだという。
今回も、過去のように大きな売り上げを達成できるか。
(c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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