760万円突破 最高値更新をけん引したビットコインETFとメタバースの影:専門家のイロメガネ(7/7 ページ)
ビットコインが過熱している。2020年の年末から21年にかけてビットコイン価格が急騰、最近では10月20日に日本円で約760万円(約6万6000ドル)と最高値を更新した。これは米国でビットコインETFが10月19日に上場したことが大きなきっかけだ。
メタバースとビットコイン
実はこのメタバースとビットコインは相性が良いといわれている。メタバースの世界でビットコインなど仮想通貨が使われる可能性があるためだ。
仮想通貨は商品の決済や送金の手段となり、国境も関係ないためインターネットでのやり取りに適している。仮想通貨が持つ特性とメタバースが想像する世界は親和性が高い。
メタバースで使われるコインは仮想通貨になるのか、もしくは日本円やドルのような法定通貨になるのかは決まっていない。ただ、仮想通貨がメタバースの世界で使われる可能性があると期待している人が多いことは間違いない。
仮想通貨は依然としてハイリスク
ここまでビットコインを含めた仮想通貨について良い話ばかりを書いたが、リスクが極めて高い資産であることは間違いがない。
米下院の公聴会でゲンスラーSEC委員長は「現在発行されている数千の仮想通貨が継続的でないことは歴史が示している。一部の仮想通貨は銀や金と競っているかもしれないが、大半は投機的な資産である」とコメントしている。
日本でも仮想通貨を使った詐欺が非常に広く横行しており、消費者庁は暗号資産(仮想通貨)を使った詐欺には気を付けるようにと警告を出している。筆者も仮想通貨を使った詐欺の紹介を受けたことがあり、そういった詐欺の手法が横行していることを実感している。
仮想通貨は価格の変動が激しいこともすでに説明した通りだ。17年の仮想通貨バブルからの推移をみる限り、仮想通貨の正しい価格を推測することは非常に難しく、投機的資産としての今後も乱高下する可能性がある。これは仮想通貨への評価がまだ定まっていないことも影響している。
リスクと期待をはらんだビットコインが今後どのように利用されるのか、そして価格はどうなるいのか、今後も注目したい。
筆者プロフィール:税理士・公認会計士 村上裕一
監査法人、大手メーカー、税理士法人の勤務を経て、監査、経理・財務、税務顧問、会計コンサルティングなど幅広く経験を積む。現在は会計事務所および監査法人のパートナーをしつつ、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンゲームなどを専門とする税理士としても活躍中。趣味はゲームで昔からドラクエやFFはほぼ全作プレイ済み。1984年生まれで二児のパパ。
企画協力 シェアーズカフェ・オンライン
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