400F、ネット証券並みコストでアドバイスも行う「オンラインアドバイザー」
お金の悩みを相談できる複数の専門家とマッチングするサービス「お金の健康診断」を提供する400Fは、年内にネット証券並みのコストで、金融アドバイスも含めて提供する「オンラインアドバイザー」サービスを開始すると発表した。マッチングサービスと併行し、自らアドバイザーを雇うことで、アドバイスサービスを拡大する。
お金の悩みを相談できる複数の専門家とマッチングするサービス「お金の健康診断」を提供する400Fは、年内にネット証券並みのコストで、金融アドバイスも含めて提供する「オンラインアドバイザー」サービスを開始すると発表した。マッチングサービスと併行し、自らアドバイザーを雇うことで、アドバイスサービスを拡大する。
ここ数年で、ネット証券の利用者は急増した。5年前は、対面証券最大手の野村證券の口座数は500万、一方でネット証券大手のSBI証券は300万、楽天証券は200万口座でしかなかった。ところが現在、「SBI証券は770万、楽天証券は600万と圧倒的に野村を上回った」(400Fの中村仁社長)状況だ。
対面からオンラインに証券チャネルが移行しつつあるものの、逆に取り残された人もいる。ネット証券で自分で調べて資産運用はできないが、かといって高コストな対面はいやだ——こういった人たちだ。非課税口座制度NISAでも、口座を開いたものの資金が入っていない非稼働口座率は50%近い。「そういう人たちに、低コストのままアドバイスを提供する」(中村氏)という狙いだ。
ネットで自己完結できる環境が整っても、自分一人では決められないのは日本に限った話ではない。ネット証券やロボアドバイザー(ロボアド)サービスが早期に普及した米国でも、ここ数年は人間のアドバイスを追加する動きが盛んだ。ロボアド各社も人によるアドバイスをプレミアムプランとして用意し、手数料無料で一世を風靡した証券会社ロビンフッドもアドバイザーを自ら採用し始めた。国内でも、フィデリティが人によるアドバイス機能を加えたロボアドを7月から提供している。
これまでFP(ファイナンシャルプランナー)やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)といったお金の専門家とのマッチングプラットフォームを運営してきた400Fだが、そこから得られた課題は、「専門家は、金融資産高めの人にアプローチする。資産額1000万円くらいの人にはなかなかアプローチがない」(中村氏)ということだった。低めの資産額の人を取り残さないよう、自らアドバイスを提供するサービスに踏み出す形だ。
400Fは、金融サービス仲介業の第1号として登録も済ませている。金融サービス仲介業は、さまざまな金融商品を横断して仲介できる新制度だ(記事参照)。これまでは証券、銀行、保険のそれぞれ個別に代理業の登録を行い、かつ各証券会社や銀行などに所属する必要があった。金融サービス仲介業では、1つの登録で複数の商品を取り扱い、また所属も必要なくなる。証券会社の“代理”として営業する立場から、顧客の代理として最適な商品を選ぶという立ち位置に変化することが期待されている。
オンラインアドバイザーでは、当初は証券のみを取り扱いモデルを作る。その後、準備が整えば銀行や保険サービスについても参入する計画だ。
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