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年会費66万円のダイヤ入り金属クレカ ラグジュアリーカード、最上位カード投入の狙い金融ディスラプション(2/2 ページ)

金属製クレジットカードを発行するラグジュアリーカードが、年会費66万円の最上位カードを投入する。「ブラックダイヤモンド」と名付けられたこのカードは、金属製であるだけでなく券面に天然のダイヤモンドを埋め込んだ。

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富裕層&法人顧客にフォーカス

 コロナ禍に前後して、現在起こっているのは貧富の差の拡大だ。野村総合研究所が2020年末に発表した調査によると、国内の富裕層は132.7万世帯に増加した(記事参照)。富裕層が資産を運用する株式も絶好調だ。コロナショック直前と比較しても、日経平均株価は25%上昇、米S&P500株価指数は38%上昇している。

 ラグジュアリーカードの会員属性をみても、これまでの上位カードであるゴールド、ブラックカードの比率は、5年前の4割から直近では6割に拡大した。年会費22万円のゴールドカードユーザーからも、より上位のカードを求める声が大きかったため、発行に踏み切ったという。

 他社の最上位カードとの違いは、ダイヤモンド入りという点だけではない。個人向けと同内容の法人カードも提供するのが大きな違いだ。

 通常の支払いだけでなく、税金の支払いにも2%を還元するという還元率の高さだけでなく、事前入金によって最大月間1億円までの支払いに対応する点を、法人顧客にアピールする。

 法人カードといっても、大企業が全社で導入するものというよりも、富裕層がプライベートカンパニーの口座を使って利用するイメージだ。年会費などは法人の経費とできるほか、税金のクレジットカード払いなどの用途が見込まれる。

 さらに、会員同士のコミュニティにも力を入れる。オフラインでの交流会だけでなく、会員向けの会報誌などで、自社のサービスを紹介できる権利を法人会員向けに提供する。告知後は、高額な商品がリピート購入されるなど、富裕層にリーチできる媒体として評価が高い。「ビジネスカードが新しい販売チャネルになる」と、法人カードユーザーは評価した。

 コロナ禍前の戦略では、現在、プラチナ/ブラック/ゴールドのラインアップを拡大し、最上位カードとエントリーカードを提供する計画だったが、コロナ禍の直撃により計画はいったん白紙に。最上位カードである「ブラックダイヤモンド」は実現に至ったが、エントリーカード投入の計画はキャンセルされたという。

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