「日本を代表するコンテンツ」温泉むすめが炎上! 美少女萌えとタバコ規制の微妙な関係:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
全国の温泉地を美少女萌えキャラに擬人化して、魅力を発信している「温泉むすめ」が炎上した。「性差別・性搾取」だと批判されたわけだが、この動きは今後、どうなっていくのだろうか。筆者の窪田氏は、タバコ規制と同じような動きをするのではないかと見ていて……。
後援企業の担当者はかなり驚いたのではないか。なにせ政府が「日本を代表するコンテンツ」と太鼓判を押していたものが「性差別・性搾取」だと批判されたのだから――。
全国の温泉地を美少女萌えキャラに擬人化して、魅力を発信する「温泉むすめ」という地域活性化プロジェクトがある。2016年にスタートしてから着々とファンを増やし、国内外17カ所の温泉地で、観光大使や温泉大使に就任、神戸市と米沢市ではなんと市公認キャラクターにもなっている。
これらの実績を受けて、19年には観光庁が後援し、さらに20年には、政府観光局の訪日誘客キャンペーン「Your Japan 2020」で、ポケモンやハローキティと並んで「日本を代表するコンテンツ」に選出されている。
そんな「インバウンド復活の起爆剤」としての役割も期待されている「温泉むすめ」が、一部の社会活動家の批判を受け、「キャラ設定の変更」と「サポーター企業名の削除」に追い込まれた。
温泉を擬人化した美少女キャラの多くはセーラー服姿なのだが、プロフィールに「かわいい温泉むすめが大好きでいつもスカートめくりをしちゃういたずらなむすめ」「布団に入ると妄想が爆発して『今日こそは夜這(ば)いがあるかも』とドキドキしてしまい」「諸事情でサラシを巻いて胸のボリュームを隠している」などの表記があることが、「性差別・性搾取」に当たるというのだ。
「はあ? これのどこが問題だ!」という怒りの声がファンから多く上がったものの、「温泉むすめ」はWebサイト上の当該キャラのプロフィールを修正。さらに、なんの説明もなく、「サポーター企業」も削除した。ちなみに、19年9月3日版の「温泉むすめ企画概要書」には、「企業サポーター&主要取引先」として以下のような錚々(そうそう)たる大企業が並んでいる。
「楽天グループ、読売新聞グループ、キヤノン、富士フイルム、近畿日本ツーリスト、大日本印刷、日本ユニシス、日本郵政、ぴあグループ、ANA総研、三井不動産、スポーツ報知」
関連記事
- なぜ某カフェチェーンは時給を上げないのか 「安いニッポン」の根本的な原因
アルバイトの応募が少ない――。某カフェチェーンから、このような嘆きの声が聞こえてきた。人口減少の問題もあるだろうが、なぜバイトが集まらないのか。その理由は……。 - 「日本のアニメ」は家電や邦画と同じ道を歩んでしまうのか
技術や品質が「下」だとみくびっていた相手に、いつの間にか追い抜かれてしまう。そんな悪夢がやって来るのだろうか。白物家電や邦画が追い抜かれたように、「日本のアニメ産業」も負ける日がやって来て……。 - 賃金は本当に上がるのか? 安いニッポンから抜け出せない、これだけの理由
選挙戦が盛り上がってきたが、ビジネスパーソンが気になるのは、やはり「賃上げ」だ。賃上げを達成するために、各政党は目玉政策を打ち出しているが、その中でひときわ目を引く「謎の政策」がある。それは……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.