「仕事の延長でイヤイヤ」ではない! ゴルフを始める20代が急増している理由:楽しみ方にも注目(2/4 ページ)
ゴルフを始める20代男女が増えている。仕事の延長線上でイヤイヤプレーしている中高年とは動機が違うようだ。どのように楽しんでいるのか。
ゴルフ市場は拡大している
ゴルフ場の売上高はどうなっているのでしょうか。
経産省の特定サービス産業動態統計によれば、2021年2月以降、ゴルフ場の売り上げが伸びています。緊急事態宣言の影響もあったため、21年4〜5月に伸びているのは分かりますが、6月以降の売り上げが二桁以上伸びています。特に、ゴルフ場利用者数については20年10月以降伸びが続いています。なかでも非会員の伸びが目立ちます。今やゴルファーの68%は非会員であり、ゴルフ初心者を含めて、これまであまりゴルフに親しんでこなかった潜在顧客層がゴルフをするようになっていることがうかがえます。
これは、ゴルフ練習場、いわゆる「打ちっぱなし」でも同様です。初心者や潜在層が増えるということは、初めてコースに出る人も増えるわけです。練習をするために、打ちっぱなしの利用も増えるはずです。そのデータを確認すると、実際に20年7月〜21年9月、利用者数も売り上げも伸び続けています。この期間になかなか出掛ける場所がなかったことも理由としてはあるかもしれませんが、それにしてもよく伸びてます。
ゴルフを始めるには、ゴルフ用具が必要です。ゴルフ初心者が増えるということは、ゴルフ用品市場も拡大しているかもしれません。国内市場の動向を見てみましょう。
20年は店舗休業などの影響もあり市場は縮小しました。しかし、21年には各カテゴリーがほぼ成長すると予測されています。特にゴルフクラブは18年比で111%です。やはり用具を新しく購入する人が増えていく見込みです。しかも18年、19年を大きく上回る伸びが予測されています。松山英樹選手のマスターズ優勝や女子選手の世界での活躍により、既存のゴルファーの買い替え需要も増えているとゴルフショップでは聞きます。21年以降はゴルフ用品メーカーにとっても追い風の状況が続きそうです。
新規ゴルファーが増えていることは分かりましたが、どの年代層が増えているのか。総務省の家計調査(20/19年比較)で見ると明らかです。
世代別支出金額では60代以上のゴルファーが最もお金を使っていますが、支出額は減少しています。しかし20〜40代では支出が増えていて、特に20代では19年比273%です。20年になって20代ゴルファーが急増しています。ゴルフ用品を購入したり、打ちっぱなしに行って練習してコースにデビューしたりしている人が増えているというのは、肌感覚だけでなく、数字にもはっきり表れているのです。再燃しているゴルフブームは20代ゴルファーが引っ張り始めているようです。
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