無難になりがちな社内行事で「ディスコ」と「壁ドン」 今こそ必要な「エンタメ転換」のススメ:必要なコミュニケーションとは(1/5 ページ)
筆者は、今のビジネスには「エンタメ転換」の発想が必要だと主張する。老舗企業の社内行事で「ディスコ」と「壁ドン」が“熱狂”を生んだケースを例に解説する。
企業と顧客、社員と経営者、企業と企業、社員と社員……。ビジネスとはさまざまなコミュニケーションの塊です。つまり、成功にはコミュニケーションが円滑に行われることが必須です。そして、キーになるのは「エンタメ転換」という考え方です。
まずは自己紹介を。私はただ今53歳。新卒で日本テレビに入社し、20年間の在籍中「マネーの虎」「とんねるずの生ダラ」「ロンQハイランド」「行列の出来る法律相談所」など、主にバラエティ番組のプロデュースをしてきました。40代頭に転職し、ハンゲーム(NHN Japan)→LINEに在籍後、独立しました。
自ら立ち上げた「株式会社サイコー!」(東京都渋谷区)では、番組の企画やプロデュースにとどまらず、エンタメコンテンツ創りの知見を生かしたビジネスコミュニケーション創造、新規事業開発のコンサル・プロデュースをしています。
私の仕事は、エンタメ的視点・要素を活用した“グッドコミュニケーション”創出のプロデュースです。「エンタメ」関連の仕事は、「楽しんでもらえるにはどうしたら」ではなく、「これで楽しむだろう」というクリエイターの独りよがりに陥る危険性も含んでいます。私も何度かこれで失敗をしました。
日本テレビ時代の話です。あるオーディション番組を成功させた私は、そのスタイルが必勝法だと思い込み、次の新番組でもそれを踏襲。しかし、今度はものの見事に外してしまいました。視聴率が全く上がらず、困惑と迷いとストレスから数カ月に渡って“お腹ピーピー状態”でした。今思い出してもゾッとします。
その時の私は、お客さんのことを見つめておらず、唯我独尊的に「これで楽しむに違いない」と思い込んでいたのです。これでは、エンタメの力を生かすプロデューサーとして失格です。楽しませたい相手のことをまずはしっかりと見つめ、その上で、エンタメ的視点で相手にとって最適な“グッドコミュニケーション“を創り出す――。この姿勢を忘れないようにしています。
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