無難になりがちな社内行事で「ディスコ」と「壁ドン」 今こそ必要な「エンタメ転換」のススメ:必要なコミュニケーションとは(2/5 ページ)
筆者は、今のビジネスには「エンタメ転換」の発想が必要だと主張する。老舗企業の社内行事で「ディスコ」と「壁ドン」が“熱狂”を生んだケースを例に解説する。
社内イベントを企画
コンテンツビジネスで学んだ考え方は、企業と顧客の間だけではなく、企業内のコミュニケーションでも活用できます。その一つの事例として、数年前にプロデュースをした某大企業の全社パーティを紹介したいと思います。
その企業は会社史上最高益を達成し、それを記念した社内イベントを行うことになりました。
一般的に、大会社の社内イベントですと、表彰や社長からの激励あいさつ、そして盛り上げるためのビンゴゲーム大会を行うことが多いでしょう(私のいた日本テレビでもそうでしたから。しかもビンゴゲーム抜きで)。厳粛に(無難に?)行うのが常です。
しかし、過去最高益を分かち合うことで、「会社として明日につながる社内“コミュニケーション”」を生み出したい――。そんなことを考えていました。
そこで必要になるのがエンタメ転換です。私は、楽しませたい相手の「思い」をしっかりと知ることから始めました。
本社は都内にありますが、製造工場は別の場所にあります。そして会社の成長に伴って従業員も増え、組織も多様化していました。
さまざまな部署の力を結集して成し遂げた最高益。普段はなかなか触れ合いのない多様な部署の社員が共にそれを実感し、皆の心が一つになる――。そんな時間を創り出したい。しかも、「ありきたりな形」ではなく……。
その時、私が考え付いた「楽しい」の形は「興奮」でした。
本社勤務社員と工場勤務の社員、そして平社員から経営陣。会社の横と縦がフラットに一緒に「興奮」の時間を過ごすこと、それを具体的な目標に設定しました。
その興奮を生み出すキーワードとして選んだのは「ギャンブル」と「音楽」。どちらも“脳内麻薬(!?)”の分泌を促すものでしょう。それらを体現する場として選んだのは「ディスコ」です。
こうして、社内イベントの会場は、“銀座の大箱ディスコ”となりました。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 「100円×3個=301円」問題でセブンが公式に謝罪 見習うべきは「イオン方式」か
「税込100円×3個=301円」問題で混乱が起きたセブン。お客が困惑した根本原因は事前告知が不足していたことだ。ただ、イオンが採用する価格表記を採用する道もあったかもしれない。 - 新成人が「欲しい車」ランキング 3位はフォルクスワーゲン、2位はBMW、1位は?
ソニー損保が新成人のカーライフ意識調査を実施。普通自動車運転免許の保有率や欲しい車が明らかに。どんな傾向があるのか。 - 超狭い住宅に申し込み殺到! モノを持たない「ミレニアル世代」と「Z世代」がマーケティングを変える理由
マーケティングでは「ミレニアル世代」と「Z世代」の存在を無視できない。価値観・消費行動にどのような特徴があるのか。超狭い住宅に好んで住む理由を分析していみると……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.