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無難になりがちな社内行事で「ディスコ」と「壁ドン」 今こそ必要な「エンタメ転換」のススメ:必要なコミュニケーションとは(3/5 ページ)
筆者は、今のビジネスには「エンタメ転換」の発想が必要だと主張する。老舗企業の社内行事で「ディスコ」と「壁ドン」が“熱狂”を生んだケースを例に解説する。
どんな仕掛けをしたのか
当日、経営陣や工場勤務の社員など数百人がディスコに集合しました。
まず行ったのは第一のキーワード「ギャンブル」を形にしたもので、社員による「なんでもダービー」です。これは、さまざまな競技において社員が「馬(競技プレイヤー)」となり、誰が勝つか他の社員がBETするというもの。
競技の内容は次のようなものです
- ディスコの2階バルコニーから、ひらひらと不規則に揺れながら落ちる短冊をあたふたとキャッチする「ひらひらキャッチ」
- ディスコ内に設置したレースレーンを、子ども用三輪車に乗って3人のライダーがその速さを競い合う「三輪車グランプリ」
- 白い粉が敷き詰められたパッドの中に隠れているハイチュウを、手を使わずに探し出す3人1組のリレーレース
いずれも、“テレビバラエティ”的なばかばかしいものばかりです。
しかし、これはほんの入り口。「人を楽しませる」ためにはその後の細やかな仕組みと演出作りが肝心なのです。設定した仕組み/ルールは次の通りです。
- 会場に来た人は皆自分の名刺を箱に入れ、各競技の選手は競技の冒頭に箱の中から名刺をピックアップして決定
- 名刺は社長や役員も入れる
- 選手以外は誰が/どのチームが勝つかをBETし、見事当てた人の中から抽選で豪華プレゼントを進呈
大きな会社だと、お互い顔も名前も知らないというケースが多いです。すると、社内イベントパーティがあっても、知り合い同士で固まりがちです。
ですが、上記のルールにより、自然と(強制的に)知らない社員同士がチームを組んだり、BETをきっかけに応援したりします。社員がお互いの存在を知り、会社の全体感をいつの間にか感じるようになるのです。
ディスコを3周する三輪車グランプリでは、社長と若手社員の対決となりました。社員たちが「社長負けるな!」「◯◯頑張れ!」と大声で応援します。子ども用三輪車に悪戦苦闘しながら、社長と若手社員が真剣に熾烈なレースバトルを展開しました。
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