「俺らの時代は」を繰り返す“ノスタルジックおじさん”が、パワハラ上司になりやすいワケ:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
突然だが、「ノスタルジックおじさん」をご存じだろうか。いや、知らないはず。なぜなら、筆者(窪田氏)の造語だからだ。その「ノスタルジックおじさん」が、パワハラ上司になりやすいと指摘しているが、どういう意味なのか。詳しく見てみると……。
「今日の仕事は楽しみですか?」に続いて、またしても「社畜」の琴線に触れる挑発的なメッセージがお目見えした。
それは、オンライン忘年会のサービスなどを提供しているoVice(オヴィス)がJR新宿駅に出した「ぶっちゃけ大人数で忘年会したくない?」という巨大広告である。
これを受けてSNSでは「したくない」「お断りします」「飲みたい人だけで行けばいいのに、なぜみんなを巻きこもうとする?」という批判的な声が多く寄せられているのだ。もちろん、「そうだよね、やっぱ1年の終わりくらいみんなでパーッとやりたいね」という反応もなくはない。が、職場の飲み会を「不要」と考えている人が6割にものぼった、という日本生命の調査もあるように、好意的な声は多数派ではないようだ。
……というような話を聞くと、若いころから忘年会を当たり前のように続けてきた世代の人々は、かなり寂しいものを感じることだろう。
確かに、飲めない人に酒を強要するとか、酔って説教するとかの「アルハラ」は許されることではない。しかし、酒の席だから普段は言えない本音などを語り合って、距離が近くなるという「良い効果」もあるじゃないか。実際、オレも若いころには忘年会で、他部署の人と打ち解けて、仕事にも生かされた。そういうメリットもある忘年会をそこまで毛嫌いしなくても――。
口惜しい気持ちは痛いほどよく分かる。筆者も当たり前のように忘年会に参加していた世代だ。が、一方でそのような「オレらの時代は」という“思い出話”がすぐに頭に浮かんでしまうような人はちょっと注意したほうがいい。無意識のうちに若い世代にハラスメントを繰り返す「ノスタルジックおじさん」になってしまう恐れがあるからだ。
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