なぜ本社が“WeWork”? DeNAが普通のオフィスを選ばなかった3つの理由:座席数は7割減(1/3 ページ)
DeNAは8月10日、本社を「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」に移転した。なぜ普通のオフィスではなく、WeWorkを本社に選んだのか? 総務責任者に理由や移転後の状況を聞いた。
ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は、2021年8月10日に本社をWeWork Japanのオフィススペース「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」に移転した。
WeWork 渋谷スクランブルスクエアは、コワーキングスペースと各社の専有スペースを兼ね備えている。DeNAは専有スペースに入居したが、社員はWeWorkが提供する国内外のコワーキングスペースも利用可能だ。今回の移転によって、従来のオフィスでは2500席以上あったデスク数を約3割程度に削減したという。
移転先にWeWorkを選んだ理由や、移転後の状況について、DeNAの清水琢也氏(ヒューマンリソース本部人事総務部総務グループ、グループリーダー)にうかがった。
DeNAの働き方は? 移転前のオフィスの使い方
DeNAはコロナ禍でリモートワークを導入している。ただ、リモートワークに振り切るわけでも一定の出社を強制するわけでもなく、「リモートワークと出社を織り交ぜた働き方」を推奨しているという。
会社として大きな方針は掲げているが、判断は各部門やチームに任せるスタイルだ。出社率は緊急事態宣言が解除された今でも10%前後。押印やプロジェクトのスタート時など、出社が必要なときはあると清水氏は言う。ただ、リモートワークが浸透しているIT企業の中でも出社率10%は低い数値だろう。
そうなると、閑散としたオフィスをどうするかという問題が出てくる。DeNAでは「グループアドレス」を導入した。部署ごとに利用フロアを制限した上で、自由に従業員が座る席を選ぶ形だ。
これにより、使わないフロアをまとめて水光熱費を抑える一方、出社した人を集めてコミュニケーションを活発化する狙いがあった。20年11月から21年8月の移転まで続けたが、WeWork 渋谷スクランブルスクエアに移転してからは、主に部署ごとの指定もなく自由な席に座るフリーアドレスを導入している。
なぜ、本社をWeWorkに? 3つの理由
清水氏が「とても愛着があった」と話す渋谷ヒカリエから、WeWork 渋谷スクランブルスクエアに移転を決めた理由は3つあるという。
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