若手社員が考える「自律的・主体的なキャリア形成」 求められることに“ストレス感じる”声も:リクルートマネジメントソリューションズ調べ(2/2 ページ)
リクルートマネジメントソリューションズの専門機関、組織行動研究所が「若手・中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成に関する意識調査」を実施した。
自律的・主体的キャリア形成求める一方「ストレスや息苦しさ感じる」
「自律的・主体的なキャリア形成」に関する考えを聞いたところ、約8割が「自分自身は形成したい」と前向きな意思を示した。
また、「これからは、多くの人に自律的・主体的なキャリア形成が求められる」(84.3%)、「自律的・主体的なキャリア形成を支援してくれる会社の方が、働きがいがある」(76.2%)、「自律的・主体的なキャリア形成が進めば個人と会社がより対等な立場になれる」(72.6%)といった選択が見受けられる一方で、「自律的・主体的なキャリア形成を求められることに、ストレスや息苦しさを感じる」(64.8%)と回答する声も多かった。
自律的・主体的キャリア形成への意欲が変化した理由やきっかけを尋ねると、「複数の職種、職場を経験することにより、より自らのキャリア形成を考えることができた」(20代後半/事務)、「保守的な会社で、離職率も低く、目の前の仕事ができれば成り立ってしまうため」(30代前半/事務)など、配置・異動、評価・処遇や個人的なライフイベントを通して変化したとのコメントが寄せられた。
キャリア形成支援について、企業が導入している仕組みや制度、さらにそのうち役立っているものを尋ねると、「資格取得の金銭的補助」(現在導入されているもの54.8%/役立っているもの50.3%)、「必要なとき、必要な知識・スキルを学べる機会や仕組み」(同46.7%/44.8%)が多かった。また、導入率が低いなかで役立っているのは「学びの時間をとれるような柔軟な勤務体系(フレックス、テレワークなど)」(同25.8%/57.0%)という結果になった。
会社・職場への要望や支援を得たいことについての自由記述内容を分類したところ、学習支援に関するものが184件と多くを占めた。
具体的には、学習支援については「資格取得などの金銭的な補助/自己研さんのための金銭的援助」「仕事をする上で必要な資格を取得する時間を設けて欲しい」といった声があった。また、「副業を許可してほしい」や、「育休や介護休暇の延長」「テレワークの制度化」など、柔軟な働き方を求める声が多くあった。
「自律的・主体的なキャリア形成」行動は「良い機会があれば転職したい」という意識を高める影響があると同時に、「組織コミットメント目的愛着」を高め、それが「良い機会があれば転職したい」という意識にマイナスの影響を及ぼすことが分かった。社員が自律的・主体的なキャリア形成をすると会社を辞めてしまうのではないか、という懸念に対しては、勤務先企業の目的や理念への共感や情緒的なコミットメントがあれば転職意識は抑制される可能性があるようだ。
調査は、9月16〜21日にインターネット上で実施した。
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