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全固体電池は、なにが次世代なのか? トヨタ、日産が賭ける巻き返し策高根英幸 「クルマのミライ」(1/4 ページ)

全固体電池とは、電解質を固形の物質とすることで、熱に強い特性を得ることができる電池のことだ。以前は理論上では考えられていただけであったが、固体電解質でリチウムが素早く移動できる物質が見つかったことで、開発は加速している。

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 日産自動車が2030年までの長期計画の中で、今後5年で電動化技術に2兆円を投資し、28年にも自社開発中の全固体電池を搭載するEVを発売する計画を明らかにした。

 その資金調達や、今から7年も先の商品計画の具体性に疑問を持たないわけではないが、全固体電池を自社で開発しEVに搭載して発売するという計画は、かなりのインパクトを感じさせる。


日産が2030年までの長期計画「Nissan Ambition 2030」で発表されたコンセプトカーに採用する未来のEVプラットフォームである「日産EVテクノロジービジョン」。写真:日産

 だが、そもそも電池の開発は電池メーカーや研究機関の仕事で、自動車メーカーが開発するモノなのだろうか、と思われる方も多いのではないだろうか。

 しかしトヨタも全固体電池の開発には、かなりのリソースを注いでいる。かつてトヨタの豊田章男社長は、全固体電池を自動車産業界のゲームチェンジャーになり得る材料だとも表現した。

 それほどまでに期待が集まる全固体電池だが、パワーワードとして独り歩きしている感も否めない。DXなどと同様、トレンドワードに躍らされ過ぎな傾向もある日本において、全固体電池に期待し過ぎるのは危険ではないのか、考えてみたい。

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