ファミマが発売した「356円弁当」は、どうなった? 担当者に聞いて分かった“意外”なニーズ:節約志向に対応(2/3 ページ)
ファミリーマートは9月、新たな弁当シリーズ「ファミマトクトク弁当」を立ち上げた。第1弾として「タルタル鶏天丼」と「直火焼チャーシュー丼」(いずれも356円)を発売。計画通りに売れたのか?
売れ行きはどうだったのか
タルタル鶏天丼は、塩こうじに漬け込んだ鶏肉を天ぷらにしてごはんに載せている。白だしやあごだしの風味が特徴だ。直火焼チャーシュー丼は、豚バラチャーシューを焼き上げ、ザラメと豚脂を使用したコクのある甘いタレに絡めている。
発売後のそれぞれの売れ行きを聞いたところ、「チャーシュー丼は計画より1割増、鶏天丼は計画通り」(藤田氏)だという。悪くない滑り出しだ。
鶏天丼を主に購入しているのは、20〜30代だ。この点では当初の狙い通りといえる。一方、チャーシュー丼をよく購入しているのは50代の男性だ。ただ、ちょっと意外なのは、女性からも支持されていることだ(通常の弁当と比較した際、女性が購入する割合が高い)。チャーシュー丼の具は、タレも含めると約45グラムある。藤田氏は「適量を求めている点や、しっかりチャーシューを食べたいニーズに合致しているからではないか」と分析する。
ファミマの広報担当者によると、いわゆる“がっつり系”のラーメンを購入する女性は少なくないという。理由として考えられるのは、「今、がっつり系ラーメンが流行しているから食べてみたいが、お店に行って一人で食べるのは恥ずかしい。だから、コンビニで買う」という心理だ。チャーシュー丼も同様に、「飲食店でチャーシューを注文するのが恥ずかしい」「適量のチャーシューだけを食べたいが、購入できる場所が思い浮かばない」といったニーズに合致した可能性がある。
ちなみに、12月10日時点でチャーシュー丼は販売していない。店頭で扱っているファミマトクトク弁当は、鶏天丼と「炙り焼チキンのガーリックライス」だ。鶏天丼は定番商品として扱い、もう1つの枠は2カ月に1回程度入れ替える方針だからだ。藤田氏は「チャーシュー丼が売れたので、今後、改良して新たに売っていくかもしれない」と説明する。
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