「昆虫食の自販機」が全国的にじわじわ増えているワケ:月90万円稼いだ自販機も(3/3 ページ)
全国的に「昆虫食自販機」がじわじわ増えているらしい。「高たんぱく」「食糧危機を救う」などの文脈でメディアに取り上げられているのを見るが、なぜ昆虫食自販機が増えているのだろうか? 実際に運営する事業者に話を聞いたところ、ビジネス的な「うま味」が見えてきた…….。
昆虫食は「おいしい」食事になれるのか?
国内外から昆虫食を買い取り、通販・卸事業を展開するアールオーエヌ(埼玉県戸田市)は、昆虫食の加工品を複数取り扱っている。
「輸入元でいうと、タイがコオロギ養殖の一大産地です。大きなメーカーがあり、昆虫食に積極的な欧州がバックアップする形で運営されています。コオロギやミルワームを配合したプロテインバーなどを販売しており、実際に売れています。だいたい1〜2カ月ほどで売り切れてしまいます」(アールオーエヌ新規事業課 課長 辻ひろあき氏)
輸入品のほかにも、同社では「コオロギアイス」なども販売しているという。コオロギの粉末を配合したミルク味のアイスだ。そのままの虫を口にすることに抵抗を覚える人でも食べられるような工夫を施しているという。
昆虫食が主食として食卓に並ぶ未来はまだまだ想像しにくいものの、「つまみ」「おかし」程度の存在になりつつあるのかもしれない。
「無印良品でコオロギせんべいが売られて以降、マツモトキヨシなどでもコオロギチップスが売られるようになったと聞きます。スーパーマーケットで海老・カニ・コオロギの横並びを見るのはまだ先かもしれないですが、おかしやプロテインバーの棚に陳列されたり、健康食品として扱われたりする未来は2〜3年後には来るのではないかと考えています」(辻氏)
われわれの祖先はかつて「虫」を日常食として口にしていた。時代とともにその慣習は薄れていったが、近い将来、再び虫を自然に口にする生活が当たり前になるかもしれない。
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