エスビー食品の「にんにく背脂」がヒット “異色”の調味料はちょっと変わった売れ方をしていた:自分のための商品(1/3 ページ)
エスビー食品が8月に発売した瓶入り調味料「にんにく背脂」(希望小売価格378円)が売れている。発売後1カ月で年間販売計画の約160%を達成。“異色”の調味料はなぜ支持されたのか。
エスビー食品が8月に発売した瓶入り調味料「にんにく背脂」(希望小売価格378円)が売れている。累計販売個数は、発売から3カ月で100万個を記録(インテージの全国小売店パネル調査より)。また、発売後1カ月で年間販売計画の約160%を達成したという。この調味料はどういった経緯で開発されたのか。同社の高松亮太氏(マーケティング企画室 商品企画ユニット)に話を聞いた。
にんにく背脂には主に、にんにく、しょうゆ、豚の脂、豚骨エキスが入っている。きざみにんにくの食感が特徴で、自宅で手軽に「豚にんにく系ラーメン」の味が楽しめる点を訴求している。ラーメンだけでなく、チャーハン、鍋、焼き肉などへのトッピングも推奨している。ターゲットとしたのは、豚にんにく系ラーメンが好きな男性だ。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で内食ニーズが急激に高まった。特に、自宅で袋麺を調理する人が増えた。高松氏は「味のバリエーションが少ないという不満に着目し、にんにくで味わいの変化を出す調味料を開発できないかと考えました」と説明する。商品開発は約1年前にスタートした。
にんにくを主役にしようと考えた理由は他にもある。免疫力向上を期待する消費者が増えた結果、にんにくの需要が高まっていたのだ。「市場で販売されている加工食品のおろしにんにく製品(チューブ、瓶入りなど)の需要が増えていました。当社におけるにんにくの加工技術などの知見が生かせるというメリットもあります」(高松氏)。コロナ前(19年度)とコロナ後(20年度)を比較すると、おろしにんにくの販売金額の伸長率は132.1%だった(インテージ調べ)。また、マスクを着用する頻度が増えたことも追い風となったようだ。にんにくを食べた後にちょっとした外出をする際、「迷惑になりにくい」と考える消費者が増えたと高松氏は見ている。
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