ニュース
カインズ、東急ハンズを買収 PB商品の開発力、DXのノウハウで立て直しへ:シナジー発揮
ホームセンター大手のカインズが、生活雑貨チェーンの東急ハンズを買収する。ハンズは業績の低迷が続いており、カインズのノウハウで立て直しを図る。
ホームセンター大手のカインズは12月22日、東急不動産ホールディングス(HD)傘下で、生活雑貨チェーンを運営する「東急ハンズ」を買収すると発表した。カインズのPB商品の開発力、DX領域でのノウハウなどを生かし、業績が低迷しているハンズの立て直しを図る。
東急不動産HDからハンズの全株式を、2022年3月31日に取得する予定。譲渡額は非公開。譲渡に伴い、ハンズは東急不動産HDの連結範囲から外れる。
ハンズは、1976年に東急不動産の完全子会社として創業。現在、国内外で86店舗(FC24店舗を含む)を展開している。近年は、顧客の行動変容やEC化の進行、競合他社の台頭などで競争が激化。新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちを掛け、21年3月期の連結売上高は631億円(前期は965億円)、純損益は71億円の赤字(同13億円の赤字)だった。
カインズは「当社が強みとして持つSPA(製造小売り)としてのオリジナル商品の開発力や、これまで培ってきたデジタル基盤を最大限活用する。東急ハンズが磨き上げてきた発想力や商品・生活提案力、目利き力などを掛け合わせ、シナジーを発揮していく」としている。
関連記事
- ワークマンやカインズを育てた群馬発「ベイシアグループ」の正体
高成長を続けて注目されるワークマンやカインズ。これらの企業は「ベイシアグループ」に属する。1958年、群馬県に誕生した「いせや」はなぜここまで成長したのか。 - 「俺たちのワークマン」再び “職人向け”の新業態「プロ」は何が違う?
ワークマンは12月2日、職人向けの新業態「WORKMAN Pro」の1号店、板橋前野本通り店をオープンした。ここ数年、幅広い客層をターゲットにした店舗を展開してきた同社。“原点回帰”と位置付ける同店は何が違うのだろうか。オープン前の店舗を取材した。 - 飲食店は“大荒れ”なのに、なぜニトリはファミレスに参入したのか
ニトリがファミレス事業に進出した。店名は「ニトリダイニング みんなのグリル」。、「お、ねだん以上。」のメニューが並んでいるわけだが、なぜ飲食店に逆風が吹き荒れているタイミングで出店したのか。背景にあるのは……。 - “広すぎる”売り場、アプリで案内時間を40%削減──カインズ流、IT変革の全貌を“デジタルアレルギー”だった旗振り役に聞く
2020年4月、緊急事態宣言の発令によりホームセンターのカインズにはマスクやトイレットペーパーを求める買い物客が殺到した。特に混雑が目立った浦和美園店にて、店内の混雑状況を店頭のデジタルサイネージとスマホアプリでリアルタイムに表示するIoT実証実験を開始。その他にも専用アプリから決済して店頭やロッカーで商品を受け取る仕組みを展開するなど、カインズではさまざまなデジタルソリューションを通して、感染対策と顧客体験の向上を図っている。デジタル化施策の方針や、“お客さま・従業員ファースト”でITを活用しているという店舗づくりについて話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.