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五輪目前の北京でオミクロン市中感染、トヨタ、VWなど自動車工場も停止続く浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(2/4 ページ)

北京冬季五輪開幕が半月後に迫った1月17日、大会組織委員会は観戦チケットの一般販売を取りやめを発表。中国はコロナ禍初期から首都の北京防衛を最優先し、市民生活を極端に制限する「ゼロコロナ政策」で感染を食い止めていたが、変異型のオミクロン株を阻止するのは難しく、苦渋の決断を余儀なくされている。

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年末からデルタとオミクロンの同時拡大

 世界で最初に感染拡大国となった中国は、2年前の1月23日に武漢を封鎖。徹底的な外出制限によって4月初旬には感染をほぼ収束させた。

 中国は以後、市民の生活や経済活動より感染者ゼロを優先するゼロコロナ政策を突き進み、国内では散発的なクラスターが発生する程度だった。

 22年2月の北京冬季五輪を有観客で開催し、安全な中国を世界にアピールしたいという思いも、大きな動機付けになったのだろう。

 21年12月下旬に内陸部の陝西省西安市でデルタ株が広がったときは、1日の感染者が2桁に乗った時点で事実上の都市封鎖が行われた。

 市民は1世帯につき1人が2日に1回、生活必需品を買うための外出のみ許され、国内のフライトやほかの都市に向かうバスは停止した。感染対策や生活用品を運ぶ用途以外の車両の通行も禁じられた。

 年末には上海に近い浙江省寧波市や河南省でも感染者が確認され、いずれも北京への交通が止まった。

 ただ、実際には感染者は一部地域に集中しており、エリア封鎖と厳しい外出制限により、年が明けると感染は徐々に落ち着いていった。


21年12月下旬のデルタ株拡大も、エリア封鎖と厳しい外出制限により、感染はいったん落ち着いていた(写真はイメージ、写真提供:ゲッティイメージズ)

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