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多くの人が勘違いしている!? 「英語を学ぶ」前に知っておくべきこと:目指せ海外赴任(2/4 ページ)
中学、高校、大学で英語を勉強したのに、ビジネスの場で活用できないことがある。どうすれば実践的な英語を身に付けることができるのか。著者のアドバイスは……。
話す・聞く能力が重要な海外赴任
では、英語を使うビジネスの現場ではどうだろうか。海外企業を買収してマネジメントするために現地に赴く場合、次のような英語力が必要になる。
【話す・聞く】
- さまざまな会議や取引先との交渉の場において司会進行ができる
- 会議参加者の間で意見の相違がある場合は、その差異が生じる原因を明らかにし、妥協案を提示し、目指すゴールに向けて意見の集約ができる
- テクニカルな領域(製造設備やITなど)に加え、人事評定面談やセクハラ相談といったセンシティブな内容も対応できる
- 従業員との懇親の場において話題豊富に歓談ができる
【書く・読む】
- さまざまな会議における議事録の作成が自分でできる
- 趣意書や覚書のようなシンプルなビジネス文書のドラフトが書ける
- 非常に長文の契約書であっても、過去に作成した類似契約書からのコピペと新たな加筆でドラフトを書くことができる
- 弁護士が作成した契約書を読み込み、自らの利益を必ずしも代弁していない箇所を指摘し、あるべき表現に変更ができる
英語の議論をする前に、これらを日本語でできますか? と問いたい。ビジネスを遂行するためには、相応の日本語能力が必要になる。これを過小評価してはいけない。
われわれは日本人であって英語ネイティブではない。ベースとしての母国語のコミュニケーション力を駆使しながら、それを英語に転換してビジネスをしていくのである。
そもそもどんな状況で英語を使うのだろうか? それは、日本語の文化圏にない相手とコミュニケーションをして、何らかの目的を果たさなくてはならない時だ。海外でのビジネスはその典型である。日本人であれば当然理解できるコミュニケーション上の文脈や、「読むべき空気」が通じない。そんな相手に対して、自分の意図を伝え、目的を達成するためのツールが英語(外国語)なのだ。
実際、海外でビジネスをする際に必要となる能力のウエイトは、話す=聞く>書く>読むという順序である。しかし、中学・高校・大学の10年間において、「自分の意図をなんとか英語で相手に伝えて目的を果たす」というトレーニングをする機会はほとんどない。入試には合格できても、ビジネスの現場では使い物にならない理由はここにある。
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