2021年「喫茶店」廃業数、過去最多の100件 東京商工リサーチ:倒産数との合計も過去最多更新
東京商工リサーチが2021年の「喫茶店」の休廃業・解散が初めて100件に達し、過去最多を記録したとする調査結果を発表した。前年度比26.5%の増加で、2000年の調査開始以降、最多だった2018年(84件)を大幅に上回ったという。
東京商工リサーチが1月24日までに、2021年の「喫茶店」の休廃業・解散が初めて100件に達し、過去最多を記録したとする調査結果を発表した。前年度比26.5%の増加で、2000年の調査開始以降、最多だった18年(84件)を大幅に上回ったという。同社は大手チェーンや「コンビニコーヒー」との競争に加え、コロナ禍での生活様式の変化などを要因に挙げている。
廃業数が増加した一方で、21年の「喫茶店」の倒産は61件(前年比8.9%減)にとどまったという。同社は「コロナ関連の休業補償金や持続化給付金、ゼロ・ゼロ融資などの資金繰り支援が下支えした」としている。ただ、休廃業・解散と倒産の合計は161件となり、20年(146件)を15件上回り、過去最多を更新した。
同社は喫茶店が苦境に立たされている要因に、コンビニなど他業種との競争の激化に加え、コロナ禍で商談や店内での「時間潰し」、勉強などの需要減を指摘。「昨今の輸入コーヒー豆の高騰も痛手となった」とし「先行きが見えず、債務超過に転落する前に廃業を決断したのではないか」と推測する。
1月に入ってからは、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が急拡大。政府は東京都などに対し「まん延防止等重点措置」(まん防)の適用を発表した。
同社は「在宅勤務が再び増え、外出する人も減ることが予想され、喫茶店は『冬の時代』に逆戻りしかねない。コロナ禍で喫茶店の経営環境は厳しさを増す一方だ。コロナ関連の支援効果が薄まると、廃業の前に倒産の増加が先に顕在化してくる事態も危惧される」と警鐘を鳴らしている。
大手チェーンでは明暗も
業界内では、「コメダ珈琲店」を展開するコメダホールディングスは営業利益(21年3〜11月)が58億4700万円の黒字(前年同期比36.8%増)だった一方、「ドトール・コーヒー」やレストランを運営するドトール・日レスホールディングスの営業損益(21年3〜11月)は9億2100万円の赤字だった。
「サンマルクカフェ」などを運営するサンマルクホールディングスの営業損益(21年4〜9月)は27億900万円の赤字だったほか、「喫茶室ルノアール」の銀座ルノアールの営業損益(21年4〜9月)は6億6400万円の赤字だった。
東京商工リサーチは「大手でも明暗が分かれ、業績の2極化が進行している」としている。
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