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転機迎える楽天証券 クレカ積立の還元率を一部0.2%に引き下げ(2/2 ページ)
楽天証券は、これまで積み立て額の1%を還元していたクレジットカードによる投資信託積立の還元率を変更する。9月から、一部の投資信託については0.2%に引き下げる。楽天証券は4月から、保有する投資信託に付与するポイントを引き下げる予定で、相次ぐ還元の引き下げに、ネットでは「改悪」の声が飛び交っている。
新還元サービス 電子マネー投信積立で1%還元
クレカ積立の還元率を引き下げる一方で、新サービスに新たなポイント還元を用意する。楽天のオンライン電子マネー「楽天キャッシュ」による投信積立だ。
楽天カードから楽天キャッシュにチャージし、楽天キャッシュで投信を積み立てる新サービスを、8月積立分から開始する。楽天キャッシュへのチャージ時に0.5%をポイント還元するほか、投信買付時にも12月買付分までは0.5%を還元する。
「楽天カードクレジット決済から楽天キャッシュ決済へ簡単な手続きで移行できるサービスも6月に提供する」としており、キャンペーンではあるが、1%のポイント還元を行うことで、新サービスに顧客を誘導する狙いだ。
また、クレカによる有価証券買付は、積み立てかつ月間5万円までという、金融庁による制約があった。今回、クレジットカード決済で5万円、さらに楽天キャッシュ決済で5万円の積み立てを可能にしており、総額10万円を実質カード決済が可能になる。
1人あたりのカード積立額が実質増加するわけで、楽天証券の積立設定額はさらに増加する可能性もある。
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