ドバイの「スシロー」は1時間待ちの日も! 海外進出を続ける外食大手が狙う“コロナ後”の世界:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
コロナ禍でも積極的に海外進出する外食企業がある。海外の成長を取り込んでいく狙いがある。各社の戦略を追った。
スシローがドバイ万博に出店
スシローを展開する、FOOD&LIFE COMPANIES(以下、F&L)は、21年10月1日に開幕した中東のドバイ国際博覧会(ドバイ万博)に出店し、連日盛況。平日でも20分くらい、休日なら1時間ほどのウエイティング(お客が空席待ちをしている状態)が出るほどだ。中東、ヨーロッパ、インド、ロシアなどからの観光客に、回転寿司の魅力を伝えている。
ドバイではマスクをしていないと罰金10万円相当を科せられるなど、厳しい感染症対策のルールのもとで万博を開催している。日本館と併設されたスシローは世界各国のパビリオン、レストランでも屈指の人気で、3年後の大阪万博に向けて弾みがついている。
なぜ、スシローが選ばれたのか。経済産業省によれば、日本館のテーマは伝統と先端技術の融合。食べたいものが選べる自由があり、回転寿司がそのテーマにふさわしいと判断された。また、海外の人が好む巻き寿司、ラーメンなどのメニューがあるのも、決め手になった。
F&Lはハラール対応のメニューに取り組むのが初めてだった。アルコールが含まれるしょうゆやウナギのタレを使わず、いかに日本のスシローの味が出せるか、試作を繰り返した。
現地の日本人からも好評で、実際に訪れた人からは、「日本のスシローと同じ味」と喜ばれている。価格は3倍ほどするが、万博内、またドバイにおけるレストランの価格を考えれば安いほうとのことだ。
スシローの海外店は59店(21年9月末)あり、台湾、中国本土、香港、タイ、シンガポール、韓国に進出している。中期経営計画によると、24年には193〜212店まで拡大する予定だ。特に、中国本土には現時点で1店しかないが、42〜46店にまで広げるという。
しかも、ドバイ万博を機に、約18億人とされるイスラム圏、ヨーロッパ、インド、ロシアも視野に入ってきた。
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