金融機関に評価される「経営改善計画書」の書き方:NGポイントは?(1/5 ページ)
融資を必要とするときは「大きく成長するとき」や「苦境を脱するとき」など、会社にとって一つの転機です。ここでは金融機関に評価される経営改善計画書の書き方に加え、社内での有効活用について考えます。
融資を必要とするときは「大きく成長するとき」や「苦境を脱するとき」など、会社にとって一つの転機です。ここでは金融機関に評価される経営改善計画書の書き方に加え、社内での有効活用について考えます。
経営改善計画書の目的と内容
コロナ禍により、多くの企業の経営環境が一変しました。新たな需要に対応するために資金が必要な企業、コロナ不況を脱するために資金が必要な企業など、銀行から融資の際に「経営改善計画書」の提出を求められることも増えています。
まずは、経営改善計画書の「目的」と「内容」を理解しておきましょう。
【1】経営改善計画書の目的
経営改善計画書とは、その名称が示す通り「経営」を「改善」する「計画」を「書いたもの」です。明確にしなくてはいけないのは、次の3つです。
- (1)改善前はどのような経営状態なのか?
- (2)改善後はどのような経営状態にしていきたいのか?
- (3)そのために何をするのか?
求める経営状態へ移行するためには、それなりの「決意」と「具体的な行動」が伴います。融資のために必要だからと適当に書いておけばよいものではありません。
経営改善計画書の目的は、「改善前の状況Aから改善後の状況Bへの具体的な筋道を明確にして、社内外に表明すること」です。
社内外に表明することで、次のような効果が得られます。
- (外部に対して)金融機関にとって融資の可否は「返済できるかどうか」で決まる。しっかりした経営改善計画書は、返済可能であることを納得させる
- (社内に対して)経営改善計画書は、状況Aから状況Bへ進んでいく道筋と、社員それぞれが努力することを明らかにする
【2】経営改善計画書の内容
経営改善計画書の内容は、大きく分けて4つのパートがあります。それが、
- (1)前置き
- (2)現状分析
- (3)改善策
- (4)数値計画(改善後の状況)
の4つです(図表1)。
まずは(1)「自己紹介」をして、次に(2)「現状はどのような状況なのか」を説明し、(3)「具体的にどう改善していくのか」を明示し、(4)「その結果どのような状況になるのか」を約束する、というのが大きな流れになります。
具体的にどのような形の文書にまとめるかですが、メインバンクに経営改善計画書のフォーマットがあれば、それに沿って作成します。フォーマットがなければ、中小企業庁や日本政策金融公庫などのホームページに掲載された計画書を参考にして作成するとよいでしょう。
銀行から評価されないNGポイント
経営者が満足のいく経営改善計画書を書き上げたとしても、銀行から評価されなければ意味がありません。お金を貸す側の立場になってみれば、経営改善計画書のよしあしが理解できます。
貸す側として、絶対に評価できない作成例を考えてみましょう。
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