「自律的に働く」には、「5+3=●」と「○+○=8」で考える:答えは無限にあり(1/5 ページ)
仕事現場では多くの人が「自律が大事だ」「キャリア自律しなくてはいけない」とよく口にします。しかし「自律|自律的に働く」がどういう状態であるのか、ましてや「自律」を育むことがどういうことなのかを明解にとらえ、発信しようとしてきませんでした。本稿ではその「自律」をある角度からながめてみます。
著者プロフィール:村山昇(むらやま・のぼる)
キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行なう。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。
会社(経営者や人事担当者、管理職者)も、働く個人も、そして研修事業者やキャリアコンサルタントも、「自律が大事だ」「キャリア自律しなくてはいけない」とよく口にします。しかし「自律|自律的に働く」がどういう状態であるのか、ましてや「自律」を育むことがどういうことなのかを明解にとらえ、発信しようとしてきませんでした。
本稿では自律を「5+3=●、○+○=8」でとらえ考えてみます。私が研修・ワークショップで使っている講義スライドとともにみてまいりましょう。
「閉じた質問」と「開いた質問」
ここに3つの演算式があります。
最初の「5+3=●」は「閉じた質問」と呼ばれるものです。これは誰が答えても「8」。それしか答えようがないので閉じています。
その点、2番目の「○+○=8」は「開いた質問」です。与えられた右辺の「8」に対し、人によって「3、5」と答えたり「2、6」と答えたり。左辺の組み合わせは無限にあります。
3番目の「○+○=○」は、右辺も左辺も無限に考えられるので、これはもう言ってみれば「開ききった質問」です。
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