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デビットカードは日本のキャッシュレスの切り札になるか?:金融ディスラプション(2/2 ページ)
近年はかなり拡大した日本のキャッシュレス化だが、経済産業省の調べによると、2020年で29.8%と、まだ諸外国に対して低い水準に留まっている。では、どうしたらさらに普及が進むのか。昨今、日本のキャッシュレスの切り札としてVisaが力を入れているのがデビットカードだ。
冬の時代が続いた国内デビットカード
一方で、国内でのデビットカードは長らく冬の時代が続いた。03年3月から銀行のキャッシュカードをそのまま決済に利用できる「J−Debit」がスタートしたが、例えばコンビニで利用できないなど、利用できる加盟店は45万カ所と限られている。銀行によっては夜間に利用できないなどの制約もある。こうした理由から、J−Debitは伸び悩んだ。
そんな中、00年代後半にVisaのデビットカードのような、いわゆるブランドデビットが上陸。Visa加盟店ならどこでも使えるという利便性で、普及が始まっている。寺尾氏によると、直近10年で取扱高は20倍まで増加したという。
とはいえ、Visaデビットカードの発行枚数は未だ37行、1770万枚。これはクレジットカードが2億9531万枚(21年3月末、日本クレジット協会調べ)発行されているのに比べると、まだまだ小さな規模だ。
果たして、デビットカードは現金派の人たちの心をつかめるのか。日本のキャッシュレスがさらに加速するためのカギはここにありそうだ。
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