「社長が住む街1位」の東京・赤坂で星野リゾートが仕掛ける “旅のテンションを上げるホテル”とは:OMO3東京赤坂 by 星野リゾート(3/3 ページ)
東京・赤坂に新たなホテルがオープンした。星野リゾートが運営する「OMO3東京赤坂 by 星野リゾート」。その特徴とは?
情報発信ステーションになって
これらのサービスには、周辺の施設や店舗の協力が欠かせない。開業に先立ち、ホテルスタッフが地元の人々と交流を重ね関係性を構築してきた。
開業前、2月24日に開催したメディア向け内覧会に登壇した米菓専門店「赤坂柿山」の川合寛妥社長は、「赤坂には観光客や来訪者に情報を発信する拠点がなかった。OMO3東京赤坂が情報発信ステーションになってくれれば」と期待を込める。
また、ツアーで回るBAR・salon「のら犬」では、芸者衆と交流できるプランを展開している。最盛期には100軒近くあったという料亭は数件に減少。また、コロナ禍で会食の場自体が消滅するなど、厳しい状態が続いている。
のら犬のおかみ湯川倫代さんは、かつて芸者だった経験から「赤坂の地に恩返しをしながら今の若い芸者衆がずっと働ける場所を作りたい」とその思いを語る。「赤坂に星野リゾートさんができたことは、大いに歓迎している」と期待を込める。
OMO3東京赤坂ではさらに、宿泊者限定メニューとして周辺の店舗とコラボレーションしたメニューを展開する。ホテル1階のカフェ「上島珈琲店 赤坂一ツ木通り店」では、モーニングメニューとして「真鯛出汁香るスクランブルエッグサンド」を用意した。赤坂の料亭文化から着想し、真鯛のだしを使用した。
また、クラフトビール専門店の「YONAYONA BEER WORKS赤坂店」では、ルームキーを提示することで限定おつまみ「赤 YONA 宴 ボール」をオーダーできるようにした。さらに、ウェルカムビールのサービスも提供するという。
細部まで“ご近所”にこだわったOMOブランド。星野リゾートではその展開を加速していて、4月には大阪市にフルサービスタイプの「OMO7大阪」、5月には「OMO5沖縄那覇」の開業を予定している。
ホテルを拠点に街の活性化につなげるOMOブランドの取り組みは、新たな人の流れをつくる起爆剤になるだろうか。
関連記事
- 実は3種類ある「プリンスホテル」 売り上げ1位なのに、実態がよく知られていないワケ
規模や知名度などから、日本においてホテルの代名詞的な存在とされてきた「プリンスホテル」。2007年からは“新生プリンスホテル”として、ブランド戦略を進めている。 - ホテル1室のアメニティー、清掃費用は一体いくら? ホテルの気になる“原価”あれこれ
コロナ禍で価格が下がっているホテル利用料金。そもそも原価はどのくらいなのだろうか。運営会社に取材を試みた。 - バブルの名残 温泉街の「大型施設」が廃墟化 鬼怒川と草津の違いと「大江戸温泉物語」の戦略
コロナ禍がもたらす温泉街への影響は甚大だが、「温泉の魅力」として考えさせられるのが“街づくり”という点だ。筆者は「施設そのもので集客できる強い宿は例外的で、温泉地の魅力自体が集客を左右する」と指摘する。 - 「クレジットカード」の利用で後悔したこと 2位「支払い能力を超える利用」、圧倒的1位は?
Agooraが運営する「クレジットカードおすすめ比較隊」はクレジットカードを所有し、何らかのトラブルや後悔を経験している人を対象にアンケートを実施した。 - 次に買いたい車 ダイハツ「タント」を抑えて1位になったのは?
ソニー損害保険が実施した「全国カーライフ実態調査」。主に運転している車のボディータイプを聞いたところ「軽自動車」が41.3%で最多となった。次に買い替える時に購入したい車は? - 神奈川県の賃貸物件で「人気の駅」 総合1位は川崎、2位は?
「アットホーム人気の駅ランキング 神奈川県編」が発表された。総合ランキングの1位は川崎駅、2位は?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.