「ローソンがキャンプ市場に参入」の噂が、飛び交い続けるワケ:スピン経済の歩き方(3/7 ページ)
今、空前の「キャンプブーム」が訪れているが、愛好家の間でまことしやかなうわさが飛び交っている。「ローソンがキャンプ市場に参入」だ。もちろん、同社はそのようなことを発表していないが、「ひょっとしたら実現するかも」と感じさせられる動きがある。どういうことかというと……。
「ローホル」が人気
この「衝撃的な価格破壊」を受けて、ローソン店舗をまわって、黒、カーキ、白と全3色を購入するキャンプ愛好家が続出。キャンプ系YouTubeでも、以下のように大きな話題となった。
『「キャンプ道具」2020年夏 ついにコンビニがアウトドア市場に参戦! 伸長式バーナーライター』
『ローソンがキャンプギアを発売開始!SOTOそっくりな550円アウトドアライター』
かなり狭い世界の話ではあるが、「コンビニでキャンプギアを売り始めた」というのが、それなりにインパクトの強いネタだったことがうかがえよう。実際、国内最大級のキャンプメディア『CANPHACK』でも、『【税込550円】ローソンで買える激安「伸長式バーナーライター」は使えるのか?』(2020年11月9日)と紹介されているが、その記事の導入も「コンビニにまさかのキャンプ用品が販売される時代になりました」という驚きからだ。
キャンプになんの興味のない方からすれば、「たかがライターを扱ったくらいで大騒ぎしすぎじゃない?」とシラけているかもしれないが、キャンプ愛好家たちがここまで敏感に反応したのは、ローソンというコンビニに対する親近感もある。
なぜかというと、一部のキャンプ愛好家たちから人気の「ローホル」を扱っているからだ。
ご存じのない方のため説明すると、ローホルとはローソンホルモンの略。東京都足立区のナガラ食品が製造するホルモン鍋(そのため、ナガホルと呼ばれることもある)で、ローソンの冷凍食品コーナーで売られている。封を開けて加熱をするだけという手軽さと味が受けて、18年ごろから人気商品となっていたのだが、実はキャンプ愛好家からもかなりの高い評価を得ていた。例えば、老舗アウトドア雑誌のニュースサイトで以下のように紹介され、ローホルを用いたキャンプ飯レシピの特集が組まれた。
『キャンパーから絶大な支持を得ている「ローホル」を徹底解説!』(BE-PAL 2020年11月12日)
つまり、以前からキャンプ愛好家にとって馴染みの深いコンビニに、有名ブランドと全く遜色のないキャンプギアが4分の1の価格で売られていたという構図なのだ。「いよいよ本格的にキャンプ市場を狙ってきたのか?」「次はどんなグッズを扱うの?」といやがうえにも、期待が高まるのは当然なのだ。
関連記事
- 丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。 - なぜ「時速5キロの乗り物」をつくったのか 動かしてみて、分かってきたこと
時速5キロで走行する乗り物「iino(イイノ)」をご存じだろうか。関西電力100%子会社の「ゲキダンイイノ」が開発したところ、全国各地を「のろのろ」と動いているのだ。2月、神戸市の三宮で実証実験を行ったところ、どんなことが分かってきたのだろうか。 - なぜ群馬に“謎コンビニ”ができたのか ゼンショー「実験店舗」の正体
ゼンショーHDが群馬県内で展開しているコンビニ「さくらみくら便利店」が話題になっている。コンビニ業界は寡占化が進んでいるのに、このタイミングで参入して存在感を示すことができるのだろうか。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.