「ローソンがキャンプ市場に参入」の噂が、飛び交い続けるワケ:スピン経済の歩き方(6/7 ページ)
今、空前の「キャンプブーム」が訪れているが、愛好家の間でまことしやかなうわさが飛び交っている。「ローソンがキャンプ市場に参入」だ。もちろん、同社はそのようなことを発表していないが、「ひょっとしたら実現するかも」と感じさせられる動きがある。どういうことかというと……。
「世界一美しいコンビニ」が話題
そう考えていくと、キャンプとのコラボはもってこいではないか。人口が減少していく過疎地で「にぎわい」を蘇(よみがえ)らせるには、外の観光客をひきこむキャンプと、地域住民の生活インフラでもあるコンビニを組み合わせることは極めて理にかなった戦略なのだ。
実は既にそれを実行に移してい人々もいる。徳島県那賀町木頭地区に20年にできた「未来コンビニ」だ。通常の生活用品だけではなく、地域の特産品を使ったスイーツも扱うこのコンビニは、地域の歴史が紹介されていたり、コミニティーの拠点になったりしている。
また、世界三大デザイン賞のひとつで最優秀賞を獲得したことから、「世界一美しいコンビニ」として大きな話題になったが、実はそれらの特徴よりも、注目すべきはこの業態がその名の通りに「未来のコンビニ」の進むべき道を示しているからだ。
このコンビニがオープンしたエリアは「四国のチベット」と呼ばれるほど自然豊かな場所で人口は1000人ほど。公共交通機関は1時間に1本バスがあるかないかの地域で、最寄りのスーパーまではクルマで1時間ほど。比喩ではなく「クルマがないと生活できない場所」である。当然、セブンもファミマもローソンも進出していない。
しかし、そこにコンビニがオープンした。なぜそんなことが可能になっているのかというと、経営をしているのは「KITO DESIGN HOLDINGS」という地元の会社で、グランピング施設「CAMP PARK KITO」を運営しているのだ。同社の藤田恭嗣社長は、メディアの取材にこう答えている。
『18年10月にグランドオープンした「CAMP PARK KITO」はコロナ禍でも盛況で、繁忙期の8月の売り上げは1000万円を超えるなど、順調に成長しています。未来コンビニを含めると、売り上げ規模や知名度など、ある程度の事業の柱ができた実感があります』(日経クロストレンド 2021年11月16日)
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