やっぱり「セブン」は強かった!? 「そごう・西武」売却騒動で分かったコンビニ事業の底力:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)
セブン&アイ・ホールディングスはそごう・西武の売却を進めている。米国の投資ファンドは、コンビニの潜在的成長率の高さに注目している。日本のコンビニはやっぱり強かったといえそうだ。
海外コンビニが急回復
22年2月期の営業収益は、第3四半期までで海外コンビニが同108.8%増と急回復しているのが目立つ。あとは、国内コンビニ同2.1%増、スーパーストア同0.5%増、百貨店・専門店同3.8%増、金融関連同3.2%減となった。
この海外コンビニの目覚ましい復調ぶりを見ると、他の分野がコロナ前に戻るのが厳しくても、コンビニに限っては成長性があると結論付ける大株主が出てくるのも頷(うなず)ける。
なお、19年12月末現在で、世界のセブン-イレブンは17の国と地域に展開しており、7万店を突破している。内訳は、日本2万988店、北米(米国・カナダ・メキシコ)1万1829店、アジア3万6261店、オーストラリア708店、ヨーロッパ409店、中東12店だ。
既にこれだけの店舗が展開できているのであれば、日本国内のコンビニは飽和していても、世界的には今の数倍広げられるのではないかと、期待してしまう。
昨年の東京オリンピックでは、海外からの報道陣も行動が制約され、自由に日本の飲食店で、寿司、天ぷら、ラーメンなどを楽しめる状況にはなかった。
その代わりに重宝されたのは、宿泊しているホテルの近くにあるコンビニだ。おにぎり、弁当、総菜、菓子類、セルフコーヒー、日用品といったように、食を中心とした日常生活を彩る品ぞろえと24時間営業が特徴。「飲食店の大方が閉まってしまう深夜・早朝でも、温かい食事を取れる」と、海外マスコミ関係者から非常に喜ばれた。
セブン-イレブンでは、おにぎりが包装から上手に取り出せない海外からの顧客のために、動画を作成してSNSに投稿したほどだ。
セブン-イレブンに限らず、ローソン、ファミリーマートなど、日本のコンビニの便利さ、品ぞろえの良さは、想像以上に海外メディアの関心を引いた。日本のコンビニへの注目度が世界的に高まっている。
バリューアクトの「セブン&アイはコンビニに集中すべき」という提言は、乱暴にも見える。しかし、それだけコンビニの将来性を評価しているという期待の表出でもあるのだ。
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