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「なくす」と「変える」で考えてみる 総務から会社組織が生まれ変わるカギ「総務」から会社を変える(1/3 ページ)

総務領域に詳しい豊田健一氏の連載。今回は、働き方の変化に伴う、総務の管理手法の変化を扱う。これまでの集中管理から分散管理へ移行するに伴い求められるのが自走組織への変化だが、その中で総務が意識すべきたった一つのポイントとは。

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 コロナ禍がなかなか収まらない中、ハイブリッドワークが徐々に定着し始めている。全員がオフィスに出社することは過去のものとなり、その結果、総務も「集中管理」ではなく、「分散管理」が常態化している。オフィスで、在宅で、サードプレースで――それぞれの働く場にあわせて個別に管理しなければならず、総務では新たな仕事が生じている格好だ。

 分散管理とは聞こえはいいが、実際に総務が管理しきるのは現実的でない。例えば、在宅勤務はプライベートな環境での勤務であり、総務が深く関与することは難しい。サードプレースも、契約まではするものの、活用時においては各人任せとならざるを得ない。働き方の変化に伴う分散管理へのシフトはまさに今過渡期であり、各人が自律的に判断し仕事をしていく「自走組織」が、このハイブリッドワーク時代においては未来予想図として想定できるだろう。早々に、この自走組織へとシフトしていかないと、総務としても中途半端な管理状態が続くだけである。


画像はイメージ、出所:ゲッティイメージズ

 自走組織となるには、それ相応の準備が必要となる。まず、これまで総務が対応していたことを、各人で行うようにしていかなければならない。具体的には、さまざまな申請からモノの手配までを自己完結できるような環境整備が求められる。

 リスク管理の点も課題がある。防災対策、震災対策、情報セキュリティなど、総務がリスク管理として対応していたことを、各人が各家庭において行う必要が生じている。総務が各家庭まで踏み込み対応できないことで、自己防衛してもらわないといけない。

 この自己完結と自己防衛、さらには、多種多様な企業が提供する働き方の選択肢の中から、各人が最も適したものを選択するための判断軸も持っていなければならない。自走組織の実現は、なかなかハードルが高そうだ。

自己完結と自己防衛できる組織を実現するには

 いくらハードルが高くても、自走組織が定着するという未来予想図は、そのまま現実のものとなる可能性が大きい。集中管理の時代に戻ることは想定できないし、どうせそのような未来予想図が来るのであれば、ドラッカーがいうように、「変化の先頭に立つ」ことをした方がよい。誰かに指示されてやるより、自ら進んで行った方が、主導権を握れるし、精神衛生上もよいだろう。

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